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三原淳雄はキャピタルパートナーズ証券の顧問を務めています。
 

2010年05月14日
三原 淳雄

八つ当たり
 

 まだ民社党がそれなりに存在感を持っていたころ(かなり昔だが)同党の大物議員に、当時の無定見なバブル潰し政策に対して政治家は経済の実体を知らない困った存在だと文句を言ったところ「政治の悪口を言うのは天に唾するのと同じ、選んだのは国民でしょ」と開き直られた覚えがある。以来民意とか国民の目線とかおいしそうな話をする政治家は信用しないことにしているが、国民もまたよほどしっかりしなければますます酷いことになりそうだ。 
 
 参議院の前身は貴族院、イギリスではいまも上院は貴族の世襲議員が多いが、日本の参議院も貴族院時代は貴族及び高額納税者で構成され、税金で歳費など支払って貰わずとも、そんなものは当てにしない議員で構成されていたものだ。 
 そのための大所高所から判断出来るし、だからこそ「良識の府」とも呼ばれていたが、いまや人気投票の場と化し参議院あらため体育院、タレント院とでも改名した方が似合うような俗っぽい場所となりつつある。今回の参議院選挙に続々と元スポーツ選手やタレントが名乗りを挙げつつあるが、スポーツ党でも作ってオリンピックで日の丸を揚げるのが政治とでも思っているのだろうか。また参議院でコンサートでもやるつもりだろうか。 
 
 あのヤワラちゃんにいたっては、オリンピックと議員の二足の草鞋で臨むそうだが、国政を何と心得ているのだろう。 
 おまけにこれまで散々世話になった、経団連を支えているトヨタに後ろ足で砂をかけるような民主党からの出馬は、それこそスポーツのフェアプレイの精神に反するのではないだろうか。国民も舐められたものである。 
 
 ジーさんなりに人生最後のご奉公として、身を投げ打って国のために尽くすのだろうと信じていた「立ち上がれ日本」も、これまたスポーツ選手を候補者に立てるとか。常識も教育水準も高いあのジーさんたちは一体何を考えているのか。応援しようかと考えていたのだが、あっさり先方からは蹴たぐりをかけられて土俵から押し出されてしまったような寂寥感に襲われてしまった。 
 
 自民党もここまで落ちたのなら、せめて正攻法で立ち上がってくるかと淡い期待をしていたのだが、これまたスポーツ選手やタレント。 国民を愚弄するにも程があると呆れるばかり。 
 こうまで支持したい政党がだらしないと、ますます渡辺喜美ちゃんに傾いて行かざるを得ない。 
 
 旧満州に行ってきたばかりだが、あの国の飛んでもない選挙のほうが統率の取れた運営が出来るだけ、まだましではないかとすら思えてくる。あの国も滅茶苦茶だが、高速道路や新幹線建設の猛スピードぶりを見ていると、公共の利益を優先するという点では、私権や私欲でがんじがらめ、そのため全てがコスト高につながり財政赤字拡大となるこの国よりは少なくとも効率的だろう。 
 政治の劣化は国民の劣化の反映なのだと割り切ればすむという話ではすまなくなってきた。そのうち中華人民共和国日本省になってしまうぞ。 
 
 教育水準という点で平均的には日本は世界に冠たる国だろう。にもかかわらず最も大切な政治になると、何故かくも易々と人気取り政策に乗っかってしまうのだろう。それもやはり教育なのではないだろうか。 
 
 戦後の教育を受けた団塊の世代が続々リタイアし、ジーさんバーさんがやたら増えてきたが、何故か不機嫌そうな顔して無作法な連中が多い。きっと若い頃知識のみ覚えるだけの教育しか受けなかったために、基本的な躾けがされていなかったのではないだろうか。だから考えることを止め組織のなかでしか安住出来ず、組織から離れたらどうしていいのか判らず、不機嫌で身勝手な老人になっているのだろう。 
 
 だから目先のつまらぬ人気に感激して、訳も分からず女子プロの親父キャディに投票していたのではないか。あのキャディ上がりの参議院議員はいま何をしているのだろう。 
 それでも娘は立派に育っているからまだいいが、不機嫌で無作法なジーさんバーさんたちの子供たちはいま何やってんだ。少しは親の監督でもしたらどうだ。 
 書き始めたらキリが無くなった。 
 今回は八つ当たりでおしまい。