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プロフィール
三原淳雄
 

2010年02月12日
三原 淳雄

納税と払税
 

 日本語では税金を支払う人を納税者と言うが、英語ではタックス ペイヤー つまり税金を払う人となる。 
 何となく釈然としないのは、納めるのと払うのではかなり意味が違うのだが、どうしてこの言葉の使い方に日本では異議が出ないのかということである。 
 納めるという言葉には上納金のように対価を求めない感じがするが、払うという言葉は払うからには対価を求めるという感じが出る。 
 だからアメリカなどはいまだにティーパーティ(反税活動)活動が盛んだし、しばしば住民投票などで住民税に対する民意を問うことも多いが、納めることに馴らされたためか、日本では源泉徴収された額すら知らないサラリーマンが多い。従って税に対する意識もかなり違ったものになっているようだ。 
 アメリカでは納税には殊の外世論が厳しい。節税は甲斐性、脱税は罪という国だから、節税は合法的にさえ行えば何の問題もないが、脱税は即刑務所行きとなる。 
 その昔アグニューという余り有能ではない副大統領がいたが、彼とても脱税が発覚したらあっと言う間に獄にぶち込まれたものだ。 
 いま世の中を騒がせている民主党のトップ二人の問題も、アメリカだったら即刻打ち首、納税一億円で実刑一年くらいは喰らっているだろうし、またそうしなければ国民が納まるまい。「知らなかった」ですむ国と「知らなかったですめば、お巡りさんはいらない」という国の違いだろうか。 
 昔は日本もお巡りさんと言われるだけで、子供心に恐かった覚えがあるが、「知らなかった」で通用する人と「知らなかった」ではすまない人とが一緒に住んでいる国も珍しい。民間人が億円単位の小遣いを親から貰って「知らなかった」と言ったって、お巡りさんは許してくれないのではないか。 
 こんなことがまかり通るのも、税を納めている国ならではの怪現象だろう。 
 アメリカならもう国民が怒り狂って、国民総不払い運動、現代版ティーパーティ騒動になっているはずである。 
 その身内の金持ちに甘く、他の金持ちには厳しい民主党政権はどうやら相続税や資産税を強化して歳入の増加を図りそうな構図になってきた。デフレ下の経済で増収を図るには資産家を狙うしかないのだろうが、忘れてくれては困るのは、いまやグローバル化した時代だと言うことである。 
 金持ち苛めも度が過ぎると、金持ちとて馬鹿ではない。シンガポールや香港など金持ち歓迎の国へとカネを脱出させるのは目に見えている。そんな目先的な政策では貧すれば鈍するのがオチ。折角だからこの際思い切って過疎や財政難に悩む地方自治体を相続税特区にして、逃げようとするカネを国内に留める努力をする方がいいのではないか。 
 またぞろ「金持ち優遇は怪しからん」という声がどこからか聞こえてきそうだが、むしろ海外に逃げ出しそうなカネを国内で使って貰う方が皆にとってもいいはずである。 
 相続税や資産税を大きく上げる一方で、地方に「特区」を作ればカネ持ちが移住するし、子供たちもせっせと親孝行に通ってくるだろう。人やカネが動けば付帯するビジネスも一緒についてくるから、過疎化も解決出来るし移住する資産家も不便は感じなくてすむ。当然地方税は大きく増えるので国民負担も減る。 
 そうなれば税に関心の薄い日本でも、税金を納めて役所が配分するよりも、個人が自分の意志で税を調整出来る方が有効な使い方が出来ると気が付くのではないだろうか。 
 税金は納めるものではなく、払うものであるという理解も進むだろう。 
 納税とは何とも厭な響きの言葉ではある。