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プロフィール
三原淳雄
 

2010年01月17日
三原 淳雄

経済音痴で市場軽視の大臣たち
 

 民主党政権はかねがねビジネスや市場に対して関心が薄く、むしろ敵視しているのではないかと感じていたが、JALを巡る迷走ぶりを見てますますその感を強くしている。 
 
 子供みたいな言い方の何と多いことか。そもそもJALの問題が表面化した時には前原大臣以下財務大臣まで揃って五大臣が申し合わせをし、各大臣が署名したところからスタートしたはずの処理が、まず前原大臣が勝手にタスクフォースなどを組織して送り込み、勝手な査定を始めたために財務大臣がつむじを曲げまず離脱した。 
 
 それでも市場はまだ再建策を信じて、法的整理はしないだろうという前原大臣に引きずられて、じっと我慢をしていた個人株主も多かったはず。 
 
 ところが年末になると様相は一変し、法的処理が視界に入ってきたため、株価は暴落し67円まで下げて年を越した。 
 
 その年末年始の休みの間にまた前原大臣が法的整理は避けるといった発言を行い、年初の市場では90円台にまで株価は戻したのだが、それは全くの糠喜び。あっと言う間に法的整理、場合によっては100%減資という案で会社更生法という運びになって株価は急落。 
 
 100%減資なら株券はただの紙切れになる。鳩山さんは当然株主には責任があるとしれっと言ってのけているが、個人株主のなかには政府が迷走しなければ、株券を紙切れにしなくてもすんだのにと、吹っ切れぬ感情になった人も多いだろう。 
 
 政府要人の言葉が如何にも軽る過ぎるために株価が乱高下し、そのために被害者が増えたのではないだろうか。こっちではあゝ言う、あっちではこう言うでは株主としても、最後の最後にその責任を株主も取れと言われても「信じた私が馬鹿だった」ということになる。 
 
 もちろん最大の原因はこれまでのJAL経営陣にあり、ここまでボロボロにしてしまったのは自分たちだろうが、ではその間きちんと説明責任を果たしたかについては大いに疑問が残るのは当然である。市場という観点から今回の騒ぎを見ると、政府とJALの市場への対応のいい加減さを世界に知らせてしまった責任は重い。 
 そうでなくとも「日本の常識は世界の非常識」と非難されても仕方がないほど、日本の市場は閉鎖的であり規制だらけ、とても世界に拓かれた市場とは言えないところに、またもやこんな田舎芝居を見せたのだから、政府の今回の対応は国辱ものと言っていい。 
 
 余談だが今回第一生命の株式会社化に伴なって証券口座が必要となり、これまで自粛していたが止む無く証券会社に口座を開設しなければならなくなった。そこで口座開設をお願いしたのだが、可哀想に証券会社の担当者が困った顔をして「三原先生がどんな方かはよく存じ上げてますが、それでも株式にはリスクがあることを説明しなければならないので」と、リスクの説明とともに捺印を求められた。 
 
 これって何かおかしくないか。市場にはリスクがあって当たり前、リスクが嫌なら参加しなければいい。わざわざリスクの説明をしなければ株も持てない制度や規制は即刻止めるべきだ。この度証券取引所に亀井大臣は金融庁の役人を沢山送って修行させるそうだが、その前に役人たちにも証券会社で口座を開かせてみることだ。金融庁の役人でもリスクの説明をしてくれるだろう。そこで初めて自分たちが如何に頓馬なことをやっているかが解かるはずだ。それから取引所にいって働いてみることだ。如何に机上の空論が実体経済を阻害しているかについて身につまされるはずである。 
 
 JALのこの馬鹿騒ぎも根本には市場に対する理解不足、市場に対する認識の軽さがもたらしたこともついでに見えてくるはずである。 
 市場は国民共有の大切な場であることを忘れてしまって困るのは国民である。 
「友愛」とは何か、鳩山さんも胸に手を置いて考えてみてはどうだ。