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三原淳雄はキャピタルパートナーズ証券の顧問を務めています。
 

2009年07月31日
三原 淳雄

日本という国は何処へ行く(1)
 

Ask what you can do for your country. 
 いよいよ4年ぶりに選挙が始まった。各党マニフエスト(公約と何故言わないのだろう)とやらをせっせと出してきつつあるが、その多くは「分配」と「分捕り」。その尻拭いは誰がどうするのかが一向に見えない。もっぱら貰う金の話ばかりだが、そのため問題が矮小化しやすく、新聞やテレビは相変わらず政治評論家、学者、生半可なタレントにいい加減な耳障りのいいコメントを喋らせて政治をこき下ろしている 
 しかしこれは天に向かって唾するのと同じことである。そんな政治家を前の選挙で選んだのは自分たちであり、いまになって「純ちゃんと叫んだ私がバカだった」ということに他なるまい。 
 政治家の悪口はすべて自らを省みてから口にするのが筋である。いまになってあの改革は間違いで格差が広がったなんて、格差などほとんど無いに等しい国で何故そんな小さなことが大事になるのか理解に苦しむ。 
 何処と較べて格差を言ってるのかまず考えてみるといい。持ち前の妬みと嫉妬心で単に金持ちが嫌いなだけではないか。こんな格差の小さな国が他にあればぜひ教えて欲しいものである。それを忘れて分配のおこぼれを自分にも寄こせとか、つけは後回しにしろ、増税は知らんみたいなことばかり言っていると、選挙が終わってまたすぐぐちゃぐちゃになってまた選挙なんてことになるのがおちだろうし、本当の金持ちたちはこんな馬鹿騒ぎに愛想を尽かして,ひそかに外国へ逃げ出しはしないかと、そちらのほうが本気で心配である。 
 シンガポールをはじめドバイなどいまや世界の金持ちを国家ぐるみで誘致している現実を知っておくといい。いつの間にか日本には阿呆なマスコミと税金を払えない国民、そして天下り先の無くなった役人だけが残されても文句を言わない覚悟も同時にしておくことだ。 
 それにしてもいまのテレビの司会者たちも酷いもんだ。.偉そうに政治家を呼びつけては居丈高に言いがかり的な小さな正論を振りかざし、一方テレビに出て顔を売ることだけが目的の政治家は「仰せの通りです」とへりくだり視聴者に媚を売る。こんな政治家たちがマスコミの言いなりになっていい加減な司会者に媚を売ってるうちに、いつの間にか小さな正論が大きくなり、結果として国を売ることになるのではないか。 
いま売れている司会者たちの多くは国防について論じることは悪と考えている輩が多い、きっと全共闘時代の卵の殻をまだ尻につけたままなのだろう。ましてやミサイルを撃たれたら撃ち返すなんてことは考えてもいないだろう。 
 本来の国防とは気概を世界に示してこそ成り立つのである。話し合いで解決をなんて子供だって無理と知っているのに、知っていて知らんふりをするのは未必の故意でもはや犯罪である。それでも知らんふりをしていられるのは、国民が何も考えずつまり平和惚けしているのである。 
だから自衛隊はいつまでたっても気の毒に日陰者みたいな扱いしかされないし、災害出動で泥にまみれて救出活動に励んでも、あの司会者たちや大衆に迎合することしか考えていないコメンテーター連中は自衛隊に感謝すらしない。 
 自分の頭で考えることをやめた国民もこうした現実には目をつぶる、何とも心が凍りつく風景である。 
マスコミもひたすらそんな視聴者や読者に媚を売るだけで、肝心な安全保障や教育などが疎かになっている今の騒ぎは背筋が寒くなる。 
何だか今回は民主党が勝つという流れになっているが、あの政党の中身をしっかり確かめたのだろうか。極左から極右までまるでなんでもあるけど肝心な背骨が見えない変な烏合の衆ではないのか。 
親しい議員も多いしそれぞれに優秀だが、自民党の議員のいる選挙区からは小選挙区制のために出るに出られず、止むを得ず民主党から選挙にでたという人も多いし、一方では社会党から逃げ出した日教組出身の議員たちは、相も変わらず日の丸反対、君が代反対とまだ言っているではないか。そんなに日本が嫌いならどうしてその昔愛して好きだったはずのロシアや中国に出て行かないのか不思議である。 
嫌いな女なら別れるのが普通だろう.厭ならさっさと出て行けばいい、今はそんな時代ではないか。 
 あのあなた方が好きでたまらなかったあの国だって、小学生たちはいまでも毎朝国歌を歌い国旗に注目し国とは何かを学んでいる。 
 その昔外国に住みその間あちらこちら行って見たが、ほとんどの国は国旗で溢れていたし自国の悪口を外国人に誇らしげに偉そうに大声でいう国民に出会ったことはない。当たり前だろう。普通悪口は恥ずかしそうに小声で言うものなのだが、誰もが大声で政治や自国の悪口をむしろ誇らしげに叫んでいる国は残念ながら日本ぐらいなもの。これを恥知らずという。 
外国語ひとつ喋れずよその国では生きることすら出来ないくせに、国の悪口を言うのはもうやめようではないか。いま折角の政治を変えるチャンスが来たのだから、しっかり自分の頭で考え、チャラチャラしたマスコミに惑わされることなく、悪口をあとで言わなくてすむ立派な人を国会に送ることを考えるのが国民の権利であり義務のはず。 
 いささか古いが東郷元帥の日本海海戦に際しての電文「皇国の荒廃はこの一戦にあり。天気晴朗なれど波高し」。まさにいまがそうだろう。経済はいまや高波に翻弄されているし一見晴れてきそうだがまだ波は収まってはいない。自分にいくら分配金がくるのかとそんなのんきなことを考えている場合ではあるまい。今こそあのケネディの有名な言葉をしっかり噛み締め直す時である。 
Ask not what your country can do for you. 
Ask what you can do for your country.