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三原淳雄はキャピタルパートナーズ証券の顧問を務めています。
 

2009年05月29日
三原 淳雄

仏前結婚式
 

 私事だが郷里大分で珍しい仏前結婚式に出席してきた。父の生家のお寺の跡取りの結婚式だから当然仏前での結婚式となったのだが、お寺さんのタキシードに相当するきらびやかな法衣に囲まれ、お経あり焼香ありの結婚式は荘厳で結構華やかなものとなった。 
 お寺につながる身でありながら、手近かな神社でそそくさと神前結婚した身としては、いささか後ろめたさも感じたものである。 
 お寺と言えばほんの少し前までは近所の人たちの憩いの場であり、和尚さんの法話はいま風に言えば人々にとって格好の癒しでもあった。 
 改めて思えばこのグローバル化した世界で、宗教が争いのタネになららいのは日本ぐらいなもの。イスラムとイスラム、イスラムとユダヤ、キリスト教とイスラム教など宗教間の争いが日常茶飯事の世界のなかで、何も考えずに仏様、神様を便利に使い分けている国の幸せを噛み締め直している。 
 幸いなことに父の生家に新しく嫁入りしてくれたお嬢さんもお寺の出身、もう既に檀家周りが出来る資格もお持ちとか。 
 ケバケバしい町の娘さんばかりを見ていると、何とも清清しい一服の涼風みたいなもの。 
 日本もまだまだ捨てたものではないと。 
 頭数は少なくなっても、まだ立派な若者もいるのだから、年寄りももうひと頑張りして彼らのためにいい国を残す努力が必要だろう。 
 結婚式の後前大分県知事の平松守彦氏にも会ってきた。今年85歳におなりだそうだが、知事を辞めた後立命館大学で博士号をお取りになったり、九州を九州府として独立させ地域活性化のプランを練っておられたりと、ますますお元気だった。 
 お訪ねしたのはGMの破綻が示すように、20世紀の世界と21世紀の世界とでは全く変わってくるのではないかと考え、ほとばしり出る発想の持ち主からお話を聞きたかったからである。 
 激変する世界のなかで生きていくためには、われわれも大きく発想を変える必要があるはずなのだが、平松前知事はご存知のように「一村一品」「グローカル」「関サバ、関アジ」などなどアイディアを次々と生み出してはブランド化した方であり、その知事の発想の源は一体どこから出て来るのだろうということを伺いたかったからである。 
 日本は「物づくりの国」として20世紀は成長してきたが、21世紀は単なる物づくりでは中国、インドには負けるだろう。 
 しかしそこに知恵やアイディア、ブランドなどをブレンドすれば、価格決定権をこちらが握れるはずだし、少量でも利益が出るし雇用も税収も増えるはず。 
 つまり発想をがらりと大きく変えることが出来れば、日本はまだまだ大きく発展できるのではないか。もう国に頼らずとも地方が直接世界に打って出る時代なのではないか。そのためには地方の裁量を大きくし、地方で出来ることは地方がやる。場合によっては九州を独立させ本州から企業や富裕層にどんどん来て貰うなど、日本のなかでいい意味で競争すれば、相対的に日本全体も豊になってくるだろうなど、いやー面白く有意義な時間だった。出来れば平松知事を中心に国興しの本でも出せないものかと、これから頑張ってみよう。何事も為せば成るのだから。