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プロフィール
三原淳雄
 

2009年03月19日
三原 淳雄

因果は巡る
 

 いま自信を失い気味の日本の若い人たちが生まれた頃、つまりバブルが潰れるまでの1980年代の日本はやたら強かった。 
 「ジャパン アズ ナンバーワン」とアメリカの学者に持ち上げられ、株も土地も月給もボーナスもどんどん上がっていった。 
 一方世界の主要国にはこの日本の天井知らずの勢いを何とかしようとする動きが強まり、欧米で一斉にジャパン骨抜き作戦が始まった。一見紳士風の奴らのやることのえげつないことは歴史の証明する通りであり、投資の世界でもご多分に洩れず日本の勢いの源が株や不動産の値上がりにあるとして、様々なルールを作り日本経済の弱体化を図ってきた。 
 それはスキーのジャンプにまで及び、日本チームが表彰台を独占した途端にスキー板の基準を変え、その後しばらくジャンプで日本が勝てなくなったのはご案内の通りである。国際金融の世界では国際決済銀行、いわゆるBISによる基準を導入し、日本の銀行が保有する株や不動産の評価益が使えなくなるようなルールを作ってきた。 
 やや専門的になるがティアワン、ティアツウーという仕組みを作り、日本の銀行の力を削ぐ仕組みにしたのである。 
 それにしても当時の日本の金融界の勢いは凄かった。地銀の多くがNYやロンドンに支店をい出し、そして目ぼしいビルなどを片っ端から買っていったのだから、この日本を何とかしなければと悪知恵を働らかせたくなったのも当然かもしれない。 
 そのツケがいま当の欧米の金融機関にすっかり回ってきた。いわゆる自縄自縛で日本憎しで作ったルールが、いま彼らを苦しめそのツケが世界中の投資家にも回ってきたのである。えらい迷惑な話ではある。 
 それにやっと気付いたのであろう。いまや見苦しいほど何でもありとなってきた。 
 自分たちで作った銀行の融資基準も、いまや何でもありで一時棚上げしつつあるし、BIS基準も有名無実化しようとする動きすらある。多分4月2日のG20ではそんな話も出るのではないだろうか。 
 いまよく非伝統的手段という言われ方を目にするが、これはルールを一時停止、何が何でも目先を切り抜けようという手段のことであり、ゼントルマンルールなどは構っていられないということだろう。 
 何でもかんでも法に頼り、その法をベースに契約をする。その契約も相手のエラーを誘った方が勝ちみたいな仕組みだから、違反が続出しても手のうちようがない。 
 AIGの巨額のボーナスで大騒ぎとなっているが、契約が優先する世界を自分たちで作ったのだから、何をいまさらと日本は笑って見ていればいい。肝心なのはこういった連中とこれからは渡り合わなければならない時代になったということである。 
 グローバルとは非情な世界なのだから、感傷や感情ではとても太刀打ち出来まい。 
 日本には因果応報といういい言葉があるし「人のふり見てわがふり直せ」もいい言葉である。今度はしっかりやり返そうではないかと思うのだが、それにしても政治をはじめトップ連中が情けない。強い時代の日本に生まれた若い人たちに、歴史を振り返ってぜひ日本のリバイバルのために自信をもって頑張って欲しいのだが、大丈夫か?