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プロフィール
三原淳雄
 

2008年12月19日
三原 淳雄

敵のエラーは味方のチャンス
 

 野球などのスポーツでも「相手のエラーは味方のチャンス」となることが多いし、事実そのような采配を監督なら振るだろう。 
 金融界も同じでこれまで偉そうに世界に君臨していたウォール街やシティがヘトヘトになった時こそチャンスと思うのだが、横並びの好きな日本までエラーもしていないのに同様にヘトヘトになってしまったのはどういうわけだ。 
 株が下がって資本が痛み、貸し出せなくなって中小企業などこれまでのお得意さんを苛めている場合ではないだろう。 
 貸出し残より預金残の方が150兆円も余っているのだから、預金者に増資でも持ちかけてみたらどうだろう。その代わり幣行はこう変わりますと将来を描いてみせればいい。バフェットのような株主が出てくるのではないか。 
 東京三菱UFJのモルガンスタンレーへの出資は結構な話とは思うし、野村證券のリーマンの人材買いも面白い。 
 敵のエラーで有望な選手やスター選手が放出されたのだから、これは願ってもないチャンスだろう。両者とも成功して欲しいと願うや切である。ところが上には上があって、いま中国の金融界は一体となって欧米に人狩りの大デレゲーションを送っているらしい。 
 中国の金融界は中国の大学の出身者が金融の中核となっていた。しかしこれでは世界の変化についてゆけない。幸いシティもウォール街もサブプライムローンという大エラーで、有望な人材(財)がゴロゴロ余っている。 
 このチャンスを逃す手はないと挙国一致でリクルート団を組織し、ロンドン、シカゴ、ニューヨークで大々的にリクルートを始めている。いまなら昔高かった連中が安く買えると判断したのだろう。 
 抜け目がないと言えばこれほど抜け目のない話はない。流石中国人、やることが四千年の歴史を思わせるものがある。 
 飜って日本華やかなりしころ、日本の金融界も大挙して地銀までロンドンやニューヨークに進出し、現地のスタッフを大量に採用したことがあるが、そこが日本の駄目なところで高い連中を高い値段で言われるがままに雇い、おまけにトップの座だけは日本人が占め、現地社員はローカル扱いしたから、うまく利用されてさっさと逃げられてしまうケースが多い。おまけにその後の日本の不況で日本勢は殆ど日本に引揚げてしまったから、恨まれるばかりで悪評しか残っていない。 
 きっと中国はこの日本の例を見ているはずだからもっとうまく立回り、将来は日本も含めた金融先進国がキリキリ舞いさせられるのではないだろうか。敵のピンチはこちらのチャンスと考えたのは当然である。 
 さて話は変わるが日銀は先ほど嫌々なのだろうが0.2%下げて0.1%の金利にすると発表した。 
 どうせなら前回の利下げで0.25%下げておけばよかったのに、アメリカなどに追い込まれ、それでもまだ0.1%を残すところがいじましい。0.05%でも良かったのではないか。どうせ虫眼鏡でしか見えない小さな幅なのに、全くマーケットの心理が判っていない、そのため市場からは想定の範囲内と受け止められてしまった責任より面子を大切にしているのだろう。 
 その点イギリスのブラウン首相やFRBのバーナンキ議長は見上げたものだ。 
 やらなければいけない時には面子や周りを気にせずに、ズバッとやってきた。 
 これが高位の座に座る人のやる仕事であり、これがノブリスオブリージュ(選ばれた人間の責任)なのである。学校時代の成績がよかったからと、ただ学にだけすがって責任を取れない人間の多い日本のトップたちが、いま最も学ぶべきことだろう。 
 選ばれた人間にはそれなりの責任を負う覚悟も同時に求められるのであるが、責任は逃げるものと教える日本の教育のいちばんの問題だろう。 
 教育も原点から変える必要がありそうだ。