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プロフィール
三原淳雄
 

2008年12月12日
三原 淳雄

何とかならんかこの老人パワー
 

 高齢者社会と言われて久しいが、このところとみにあちらこちらで高齢者の集団に出会う機会が増えてきた。 
 たとえば平日のゴルフ練習場では2時間千円打ちっ放しは高齢者で満員であり、時としてウエイティングも珍しくない。 
 また平日の新幹線の「こだま」のような急がない列車のグリーン車は、高齢者カップルで満杯ツアーをよく見かける。 
 それはそれで結構な光景であり、まことに微笑ましいとも思えなくもないものだろうが、ゴルフ練習場の駐車場には高級車が並んでいるし、グリーン車で旅を楽しんでいる老人たちは身なりもバッグも高そうである。 
 生活にゆとりがある方々であることは一目で判る人たちだが、考えようではゴルフの打ちっ放ししか、または旅行くらいしか出来ないのではもったいど思えてくる。日本が成長し、豊かになったおかげで安らかな老後を送ることが出来る。幸いまだゴルフの球も打てるし、旅に出掛ける元気もある。この元気を出来ればもっと他の分野で活用したいと考えている高齢者も多いはずである。何気なしに読んだ川柳に「犬も嫌がる五度目の散歩」と、退職後の無聊をぼやいた句があって思わず吹き出したが、この元気な無聊の老人パワーの活用場所は考えればいくらでもあるように思えてならないのである。 
 例えば夫婦共稼ぎの家庭に留守番役で子供が学校から帰るころ出掛けてもいいだろうし、また宅配便や水道の修理などが予定される家庭の留守を預かる仕事などが出来れば、喜んで引き受け手くれる人もいるはずである。 
 子供が帰宅したら誰か待っていてくれる人がいれば子供も喜ぶだろうし、場合によっては苦手な宿題など手伝って貰えるのかも知れない。優しく社会から扱われれば非行に走る子供も減るだろう。多感な小・中学生の時期に家に帰っても両親は不在、自分で鍵を明け何かを食べて、そして塾に出掛け夜遅く帰ってくる。当然両親との会話の時間も限られるのだろうし、勝気な母親から「勉強しないとお父さんみたいになるよ」と脅されたら、父親の威厳など吹っ飛んでしまい父子ともに不幸だろう。そんな家庭のために元気なジーさんバーさんが留守番サービスを引き受け、場合によっては家庭教師代わりに様々な話もして上げる方が社会にとっても得な話だろう。何故それが出来ないのかと不審に思っていたら、友人たちから「そりゃ駄目だよ、万が一盗難とか火災とか事故が起きたらどうすると、必ずどこかの役所から自分たちの責任にならないように横槍が入る」と一笑に付されてしまった。 
 日本では何をやるにしても役所のご意向が優先するらしい。これもモンスターペアレントの横行などに見られる行き過ぎクレーマーたちの言いなり放題になってきたツケだろう。好意で留守番をしても悪意のある親にとっては格好のメシのタネとなるとは、何とも妙なリスクが出て来たものだ。 
 「無理が通れば道理が引っ込む」とは将にこのことだろう。昔は先輩と聞けば大体「無理偏に拳骨」というのが相場であり、先輩は恐れられ一方では尊敬もされたのだが、いまは「無理偏に訴訟」が当たり前とは淋しいことだ。それにしても裕福な高齢者もノー天気なもので、暇と小ガネにあかせて平日ゴルフに温泉旅行にかまけていると、そのうち孫の世代から「退職金も年金も貰いながら、世のため人のために何もせず食い逃げした」と墓参りにも来て貰えなくなるぞ。 
 このジーさんバーさんたちを何とかうまく活用出来ないものだろうか。 
 話はコロッと変わるが先夜「エコノミストの夕べ」のパーティに出掛けて驚いた。何に驚いたかって?会場が満杯になるほどのエコノミストがいながら、年初には誰もいまの惨状を予想出来なかったということに対してである。エコノミストならぬエロコノミストの小生としては、経済の予測など当てにならんという意味で大いに参考になったパーティだった。 
 新春の新聞各紙はこうしたエコノミストの予想が出るだろうが、多分先行き真っ暗という記事で一杯になることだろう。 
 それが外れてくれるといいのだが。