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プロフィール
三原淳雄
 

2008年11月17日
三原 淳雄

円高は悪いか
 

 1995年と言えばひと昔以上も前のこと、当時テレビ東京でWBSのプロデューサーだった内山さんと「これからは世界中の市場がつながるグローバル化が進む」だから株式、不動産低迷の折でもありいまこそマーケットの有用性を叫ぼうと「マーケットライブ」というマーケットに特化した早朝15分番組をスタートした。 
 その時の悲願は「東証の時価総額がバブル期のピークだった600兆円に戻ること」であり、そこまで戻ったらお役目ご免で止めようというものだった。 
 また同時にどうも日本は「株をやる」などと乱暴な考え方で株式投資をし、そして損をしてはもう懲り懲りという風潮が強いのは何故だろうとも考えていたからである。 
 それはカネでカネを稼ぐのは所詮マネーゲームとしか考えていないからだろう。 
 この日本の風潮を何とか変えたいと、幸いアメリカにバフェットと言う株式投資だけで巨万の富を築いた人がいて評判になっているので、その彼のことを書いた本を出版したりもした。 
 そしてその本のタイトルを「株で富を築くバフェットの法則」としたのだが、当時はバブル崩壊後でもあり、株で損をした人ばかりだったので、友人たちからは「何て本を出すのだ、そんな株の本が売れるものか」と笑われたものだ。 
 ところがご案内のようにいまやバフェットブームとなったのだが、どうやら20年ほど早過ぎてしまったようだ。 
 その後の日本の株式市場は上がっては下げの繰り返しで、当初の目標だった600兆円には程遠く、一方で当方の歳は容赦なく加算されていくし体力も落ちてくる。 
 願いにはとうとう到達しないまま、遂にもうこれではギブアップするしかないかと、戦線縮小を始めた途端に、今回の暴落がやってきた。2003年の日経平均7607円を下回りかけたのだから大変である。 

「大変」とは文字通りビッグチェンジ

 TV東京で番組をスタートしたころから講演などのタイトルに「大変」を使っていたが、有難いことにオバマ新大統領まで「チェンジ」と言い始め、再びチェンジが陽の目を浴びてきた。変化があるからチェンジが必要なのだが、同時にそれはチャンスでもある。 
 自分の意向にかかわらず変化は人生につきものだし、どんなに嫌がっていても変化は勝手に向こうから襲いかかってくるもの。 
 そして変化が大きければ大きいほど、その対応如何んで結果も大きく変わってくる。 
 業界地図などが大きく変わるのもこんな時である。ひと昔前の日本は人口が多く国土は狭く、資源は無くて貧乏だったのだが、いまや人口は減り始めているし、一方では資源の確保を図らなければ将来の生存が覚束ない状況になってきたが、幸い世界有数のカネ持ち国へと大きく変わっている。 
 株式投資をマネーゲームなどと考えている場合ではあるまい。強くなってきた円を利用し、全ての市場が低迷しているこの機会をうまく捉えて、カネを正しく働かせることで世界のなかでの存在感を高めるチャンスである。 
 円高で株価が下げるなんて、まだ他力本願の情けない面も残っているが、本来は円高、株高、債券高の国であるべきであり、円高こそ日本を救うという発想が求められて然るべきだと考えているが、市場が円高を歓迎するようになったら、そこが日本の再スタートとなるはず。それまではまだ当分右往左往するのではないか。