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プロフィール
三原淳雄
 

2008年08月12日
三原 淳雄

真の政治家を見定めよう
 

 先日アメリカのCNBCを見ていたら、時の話題の主メリルリンチ本社のセインCEOが出演していて、今後の経営について彼の所信を述べていた。今回のサブプライム問題で大きな痛手を受けたメリルの今後は大いに気になるところなので、思わず知らず身を乗り出して聞いていたが、将来のビジネスの展開について国際的なビジネスにも大いに力を入れるというとこまではいいのだが、中国だ、ロシアだ、インドだと、これらの国の名前は何度も彼の口にのぼるのに、JAPANは一回も出て来なかった。 
 完全にジャパンパッシングである。 
 一昔前ならジャパン抜きの市場などは考えられなかったのに、この十年余りで大変な変わりようである。 
 名目成長率が0・3%まで下がっている日本と、問題はあるにせよ依然として二桁成長を続けている国々とでは、彼ならずとも自ら力のいれようがどこになるかは自明の理だろう。7%成長ならその国のGDPは十年で倍になる。ところが0・3%だと倍になるのに2300年以上もかかる。 
 GDPが10年で倍になることがハッキリしている国々と、2千年も待たなければ倍にならない国とがあれば、ビジネスの重点をどこに置くかは別にメリルの会長じゃなくても判るだろう。 
 ところがそれが全く判っていないのがこの国のリーダーたちである。 
 相変わらず一度確保した道路の予算は死んでも離さないし、おまけにそうした政治家の多くは二世・三世議員だから国の行方より地元の行方のことしか考えていない。 
 この国を将来どんな国にするのかぐらい語るのが政治家たるもののイロハだろうが、いまそんなことを責任ある立場で言っているのは麻生太郎さんぐらいなもの。 
 外交や金融では票にならぬとばかりに、本来の政治の役目を心得ていない不届者ばかりが永田町には多い。 
 いまの日本の最大の課題は落ち込み続ける成長力を、どんな政策や制度・税制でカバーしつつ民間を応援していくかにあるはずなのだが、国家経営の根幹の部分が全く欠けている。 
 乗り合わせたタクシーの運転手さんが「北朝鮮の外相は長らく同じ人がやっている。彼の面構えをみるとあれじゃくるくる代わる日本の坊ちゃん外相や官僚が敵うはずがない」と洩らしていたが、あんな小国でもアメリカと対等に渡り合う。世界は甘くはないという当たり前のことが、どうも忘れられているようだ。 
 世界はグローバル化し我こそは勝者になろうと、全員が泥を喰ってでも生き抜こうとしている時代に、GDPの伸びが鈍ろうが株式市場の時価総額が減ろうが、政治家たちがつるんとしているのは日本ぐらいのものだろう。何故メリルの会長の口からジャパンという名前が出て来なかったのか、そんなに当てにされない国になったのか。ではどうすれば存在感を高めることが出来るのかなどについて、今度の選挙ではこうした点をきっちり語れる政治家を選ばなければ、日本の明日はとても築けないだろう。幸い一年以内に選挙はある。目先の小さな目眩ましに惑わされることなく、誰が真の国のために役に立つ政治家かをしっかり見定めるようではないか。 
 ひょっとするとこれが日本のラストチャンスかも知れないのである。