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プロフィール
三原淳雄
 

2008年04月16日
三原 淳雄

バフェット中国版出版
 

 拙著「バフェット入門」(ダイヤモンド社)が、この度中国と台湾でほぼ同時に翻訳、出版された。 
 いま中国で最も尊敬されているアメリカ人はウォーレン バフェット、ビル ゲイツ、ジョージ ソロスの三氏だそうで、言うまでもなくこの三人は世界に冠たる大富豪、おまけに巨額な寄付を行っていることでも有名だから、中国人ならずとも尊敬されて当然だろう。 
 この三人の巨額の富は市場によってもたらされたものであり、なかでもバフェットは「この世に生まれた最大の幸せは、そこに発展する市場があったこと」といって憚らない。 
 市場がこの世に存在しなければ、ビル ゲイツだって短期間にあれほどマイクロソフトを発展させることなど出来なかっただろうし、ソロスだってバンクオブイングランドを相手に為替で勝負などするわけにはいかなかっただろう。 
 とかく日本では市場で富を築くことはマネーゲームとしか見ないきらいがあるが、ビル ゲイツがマイクロソフト社を興し、そして社員にストックオプションや持株制度を提供したおかげで、いまや同社の約1万人もの社員が持株の値上がりで億万長者になっている。市場がなかったらこんなことは不可能だったはずである。 
 市場があればこそ資金調達が出来たのだし、その資金で設備投資や研究開発を行って同社は急速に発展していったのである。 
 社会に富を生み出すのは企業であり、そのエンジンとしての企業に燃料を提供するのが株主、その仲介をするのが市場というごく常識的な資本主義の原則を、いまの日本は忘れてしまったのではないか。 
 だからディトレーダーを蔑視する経産省の次官発言が出てきたり、Jパワーへの後出しジャンケン如き外資制限や、ブルドックソースの買収反対策を裁判所が認めるといった漫画みたいなことが平気で行われる変な国になってしまった。 
 中国はいまでも建前は共産主義である。 
 しかしその中国の投資家がバフェットたちの市場の活用法を学び始めたとしたら、これは端倪すべからざる事態になるだろう。何せ金儲けに関しては4000年の長があるのだから。 
 株とは、市場とは、株主とはといった原点に戻って、日本もしっかり市場の効用を考えなければ、それこそファーイーストの小さな孤島国家になってしまいかねないと、改めてしみじみ感じている。 
 あの中国人がバフェット本を買い始めたら途方もない印税が入りそうだと友人たちが「取らぬ狸の皮算用」をしてくれているが、残念ながらあの国はそんなに甘くない。涙金でおしまい。早く資本主義のルールを学んで欲しかったと、こればかりは残念である。(涙と笑)