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プロフィール
三原淳雄
 

2007年12月11日
三原 淳雄

意地悪爺さんの嫌味
 

 年末恒例の日経グループ主催「エコノミストの夕べ」に招かれ出掛けてきた。 
 日頃見知った著名人ばかりの集まりとあって、久闊を暖めるには格好の機会で、それはそれで有難いのだが、これだけ優秀な方が揃っているのに、何故日本経済は世界のリーダーになれないのかなあーと、帰り路にいつも素朴な疑問に襲われることになる。「変わる世界、変われぬ日本」は、いつになっても小生のテーマなのだろう。 
 今回のサブプライムローンの問題は、世界中で大騒ぎになっているが、騒ぐのも結構だが学ぶべき教訓も沢山あるのではないだろうか。エコノミストの方々に聞くと、問題の根は深い、解決には相当時間がかかるだろうと悲観的な見方が主だったが、ちょっと違うのではないだろうか。日本の識者たちが悲観的になるのは多分日本のバブルが残影となっているような気がしている。 
 日本のバブル崩壊は立ち直るためには、小泉、竹中組が登場するまで10年もの時間をかけなければならなかったのだが、アメリカはそこが違う。アメリカではもう既に問題企業のトップの首が何人も飛んでいる。 
 トップの首を飛ばせば後任のトップの仕事は負の遺産の処理であり、誰に遠慮することなく一気に解決する努力を行うだろう。 
 日本では不良債権を抱えた金融機関のトップが真相をひた隠しに隠し、おまけに部下や役員たちもそれに加担したために、10年もの日時を要したのである。 
 加えて政府や行政の態度も大違いである。 
 FRBは問題に気付くや否や金利引き下げ、金融緩和に踏み切ったし、政府もブッシュ大統領が果敢に動いて、住宅ローンで苦しむ家計を助けることを発表している。 
 にもかかわらず悲観論好きな日本では、まだ根強くこの程度の対策では解決出来ないと報じているが、これほどの大問題が一気に片付くはずもない。多分もっと時間はかかるだろう。しかし注目すべきは問題への対応のすばやさと、メリハリの利いた対策であろう。日本のバブル処理の際には平成の鬼平と呼ばれた日銀の総裁が何をやってくれたのか、もう忘れてしまうのだろうか。「平成の鬼平」のはずが、むしろ「平成のグズ平」と呼ぶべきほどの対応の拙さで、問題を先送りし続けたのではなかったか。政府もだらしがなくて、時の宮沢総理は流石秀才だけあって、問題には気付いていたのだが、公的資金の投入は国民感情の反発を招くとかで見送り、後顧の憂いを残すことになった。一方アメリカのブッシュ大統領は今回の救済策で「投機に失敗した金融機関や投機家を助ける気は毛頭ない。しかし善良な住宅ローン保有者は助けなければならない」と至極明快である。 
 日本では対応が遅くれたために、善良な住宅ローンの保有者まで破産したり倒産に追い込んだのとは大違いである。 
 07年は大荒れの年となったが、08年は大荒れを修復し回復する年になるだろう。 
 沢山のエコノミストの方々と知り合えたが、さて来年の集まりにはどの人にどんな言葉をかければいいのか、祝意と嫌味の二つを用意して待とうと考えている。意地悪爺さんとしては来年のパーティがいまから楽しみである。