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プロフィール
三原淳雄
 

2007年10月11日
三原 淳雄

少しは歴史に学んでみたら
 

 アジアで一番の資産家が26歳の中国女性と聞いて腰を抜かした人も多いのではないか。 
 その資産たるや約2兆円だから、やれ領収書は1円からつけろの、あいつの事務所経費はどうなってるだの、モンゴルに逃げ帰った相撲取りなどで大騒ぎしているどこかの国に、こんな金持ちが出たら、それこそまたバブルを潰せとか、金持ちにはもっと税金を高くしろという声がマスコミに溢れ、それこそ蜂の巣をつついたような騒ぎとなって、その金持ちのお嬢さんは国外にでも逃げだすしかなくなっただろう。 
 性格は変えられるし、才能は補えるが癖は直らないとか、ねたみ癖はしっかりDNAに組み込まれてしまったのがどこかの国だろう。たまには歴史を振り返ってみたらどうだ。20年前の中国はどんな国だったのかぐらいはすぐに思い出せるはずである。 
 全員同じ人民服を着て、自転車の大群が天安門広場を埋め尽くしていたあの国が、たかだか15年ぐらいで何故こんなに変わることが出来たのか。すぐに答えは出てくるはずである。共産主義のもと金持ちを殺してしまい国民の自由を奪い、平等の旗のもとで何が行われたのか覚えているはずだ。 
 全員が等しく貧乏だったあの国が、急に変われたのは本音と建前を上手に使ったからである。社会主義的市場経済なんて、日本の重箱の隅をつつくしか出来ないマスコミには、格好の攻撃の材料となるだろう。社会主義なら統制経済なのだから、こんなおかしな言葉はない。日本人にはとてもこんなことは考えつきもしないだろう。 
 ところが彼らはこの二つを見事に使い分けたからこそ、いまの発展を築くことが出来たのである。ここに道路が必要と党が決めれば、有無を言わさず住民は追い出され、あっと言う間に立派な道路が安く出来上がる。 
 決めるのは社会主義、実行するのは市場経済なのだから、目先の利にさとい中国人がそんなチャンスを見逃すはずもない。 
 かくて有望な不動産には資金が流れ、足りない資金は外国からうまく引っ張ってきて、ビルやマンションが続々と出現することになった。ゴネ得を許し公共事業のコストをわざわざ高くし、そのため税金をますます高くしているどこかの国とはまるで効率がちがうのである。 
 市場経済には市場が欠かせない。当然株式市場や不動産市場が出来、不動産企業が上場されるとたちまち株価は上昇する。 
 当然株主には多数のリッチマンが登場することになる。もし中国に株や不動産といった資産市場がなかったら、たった15年でこれほどの金持ちがぞろぞろ出て来るはずもない。市場の効用はそれだけには止まらない。市場の規模が大きくなれば、それだけビジネスチャンスが増えるので、諸外国から企業も資金もどんどん入ってくる。雇用は増えるし中産階級も生まれ消費は活性化する。 
つれて税収も上がるし治安も良くなる。 
 かつての日本もその道を辿ったのではなかったのか。「賢者は歴史に学び、愚者は体験に学ぶ」とか。大好きな言葉だか、いまこそ自虐的になって引きこもるのではなく、この言葉の意味をグローバルな視点から思い起こし、それぞれで考えてみてはどうだ。政治家のアラ探しばかりしている場合でないことぐらいは気がつくだろう。 
 日本が失われた十年とかで悲観的になっている間に、ころっと見事に変わった国がすぐそこにあるのだから、彼らのしたたかさを輸入したいものである。 
 こちらも変わらなければ1000年前のように、あの国の属国にされてしまうのではないか。別にそれでも構いはしないけど、自らが招いたことだからそうなっても文句は言わない覚悟をしておかねばなるまい。