三原淳雄の言いたい放題 mihara-atsuo.com
プロフィール
三原淳雄
 

2007年05月11日
三原 淳雄

何が肝心か、考えろ
 

 肝心という言葉は文字通り肝に命ずるという意味で使われるのだが、いまの政治はもとより行政も経営も肝心なことを肝心な時に忘れているのではないか。 
 政治にとって最も肝心な使命は国民の生命と財産を守ることだが、議会での議席を守ることの方が肝心になっているし、行政もとくに金融の世界では罰することに熱心で、何故罰するに至ったのかという、その肝心な部分の解明が為されてないままやたら罰することに熱を上げ、金融処分庁と揶揄される始末。したがって民間もただただ罰せられないようにと、徒らにコンプラばかりに精を出すから、肝心な投資家や受益者への奉仕の精神が薄れてくる。個人情報保護法なんて馬鹿なものを作るから、うっかりカードや通帳を失くそうものなら、自分が自分であることを証明するのに大変な手間と時間がかかる。金融機関にしてみれば罰せられると大変だからと、我が身を心配するからだろうが預金者や利用者はたまったものではない。 
 私のような職業の身としては、個人情報なんて丸裸で筒抜けだから、我が身は我が身で守るからいい加減にしてくれといくら言ったって「いえこれは法律です。守らなければわが社が金融何とか庁にやられます」と無駄なサインや書類を作らされるし、何ともそれ以上抗う術もない。 
 どいつもこいつも自分のことしか考えないから、結局皆んなで無駄なエネルギーを消費するという国民経済にとって大損という肝心な点が振り落ちる。 
 経営についてもいまのM&A騒ぎなど見ていると、社会の公器である企業を経営者としてお預かりし、大事に運営しているという覚悟や自覚が見える経営者は少ない。自信を持って経営しているのは日本電産の永守さん、信越化学の金川さんぐらいだろう。 
 何が最も肝心かについて改めて考え直す時が来ているようだ。これは国民全体に言えるだろう。子供は子供らしく、男は男らしく、女は女らしくが肝心なのだが、どうもそうはなっていない。分を忘れた奴ばかりとしか思えないのである。 
 株式市場も情けない。国民共有の大切な財産である市場に参加するからには、それなりのテーマぐらい見つけたらどうだ。 
 いつも外国市場の動向に振り回され放しで、自主性など薬にしたくとも見当らないではないか。近未来の世界及び日本にとって何が肝心かうを考えれば、テーマなどすぐ出てくるだろうし、そういう企業を応援しようとする気になれるはずである。 
 まずエネルギーが何より肝心ではないのか。化石燃料に頼らずエタノールも限定的なら太陽、地熱、風力、海などからエネルギーを得るしかない。しかもその分野で秀でた技術は日本にもあるだろう。 
 そして水、もはや湯水のように水を使える時代ではなくなりつつあることに気付けば、これも何が肝心かが見えてくる。 
 世界中がエネルギーや水を渇望しているのだから、ゲームやデジタルTVも結構だけど、もっと肝心なものに目をつける時ではないだのだろうか。何が世界、日本、そして自分にとって肝心なのか、考えることで道は自ずから拓けてくるのではないか。肝を据えてどーんと構えてみる大変な時に日本はさしかかっているように思えてならないのである。