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プロフィール
三原淳雄
 

2006年12月14日
三原 淳雄

貧乏人のDNA
 

 期限切れを来年に控え、その行方が注目されていた証券税制が、取り敢えず1年延長することで決着しそうになった。 
 売却益、配当に係わる税率の10%、配当の分離課税という現行の税制は2008年までは続くことになり、市場の無用の混乱や株離れは何とか目先はしのげるだろうが、来年末にはまた蒸し返され大騒ぎになるのかと思うと、いったいこの国は市場を何と心得ているのかと、甚だ疑問に思えてくる。 
 とかく資産に関する税の話となると、やれ金持ち優遇だとか格差が広がるとかいった議論になるが、市場のサイズが国富であり国力の源泉なのであり、市場が活性化し上昇していけば、市場に参加していないと考えている人たちにも有形無形の恩恵が及ぶのが市場の効用なのである。 
 配当を貰えばおばあちゃんは孫を連れてデパートに行くだろうし、おじーちゃんは仲間とゴルフに出掛けるだろう。 
 たとえ売らなくても持ち株が値上がりすれば、サラリーマンは帰りに一杯やってタクシーに乗るかも知れない。 
 月給のように額に汗して稼いだカネは、なかなか使うのに抵抗があるが、株の値上がりや配当の消費性向は高くなるものなのである。かくしてGDPの約6割を占める個人消費が活発になれば、景気もよくなるしボーナスも増える。いま問題になっている年金基金だって株式投資をしているのだから、運用成績がよくなるのは目に見えている。 
 証券軽減税制などと呼ぶから間違えるのであり、むしろ証券市場活性化税とか促進税とかいった前向きな名前をつけるべきではないのか。このごろ証券知識向上のための勉強会やセミナーが盛んだが、そこで教えている内容の多くは株価の分析・チャートの読み方から入るから、肝心の市場の本来の役割を教えることなく、株価に投資するトレーダーばかりになって、末長く保有しながら企業を応援する株主が育っていない。だから株式に係る税を下げるなどは飛んでもない。金持ち優遇ではないのかと、株などしたこともなく投資リスクも取ったこともない連中やマスコミが、都合のよいときだけ庶民になる連中の嫉みと嫉妬を煽り、とどのつまりは国を衰退させるのである。日本以外のどの国が市場を白眼視しているのか、教えて欲しいものである。どこの国でも自分が一生懸命稼いだカネを、一生懸命頑張っている企業に投じ、人生の夢の実現を市場に託しているはずである。市場が全くない国がどうなったかは、「貧しさを憂えず、等しからざるを憂う」を国是とした中共(中国)が、どうなったか、そんな昔の話ではないのだから毛沢東の顔でも思い出して考えてみるがいい。貧乏に拍車がかかり、もっと貧乏になっただけが当時の中国ではなかったのか。 
 人の足を引っ張れば幸せになれるわけでもないだろう。もう何とかのひとつ覚えのように、あたかも正義のように、金持ち優遇などと叫ぶのはやめにしようではないか。それは貧乏人や小作人に特有のDNAでしかあるまい。