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プロフィール
三原淳雄
 

2006年12月04日
三原 淳雄

優遇など寝言は止めよう
 

 TVでレギュラーを持つと、いやでも変化に敏感になるし、それが毎週となると他とは違う切り口はないかと、常キョロキョロ周辺を見渡す癖もつく。 
 「日経CNBC」という日経系のケーブル局でもう5年以上も「三原・生島マーケット トーク」という番組を続けているが。長く続けてこれたのも世の中には常に変化があり、変化があるからこそ物価も株価も動く。その変化を読むことに努め、おかげで番組も長く続けてこれた。 
 もし世の中平穏無事で何ごともなければ、喋る場所を折角貰っても、タネがないことになる。変化とは本当に有難いものである。 
 しかもその変化のスピードも影響も、いまは昔と較べられないほど速く大きくなっている。その証拠にいつの間にやら新興国の株式市場が合計すると日本のそれとほぼ同じになっているではないか。5年前には日本のたった五分の一ぐらいでしかなかったのだから、物凄いスピードで大きくなってきた。 
 うっかりすると、来年には日本は新興国勢に抜かれてしまうかも知れない。 
 そこで国内に目を転じると、相も変わらず「株は金持ちだけのもの」とか「証券税制は金持ち優遇だ」とかいった議論がまだ大声で論じられている。 
 金持ちを優遇せずに虐待したら、いったい誰がリスクをとって事業を興し、人を雇い税金を払うのか。代わりに税金を払ってくれる覚悟があって言っているのなら、それはそれで立派な意見だが、結果として社会主義国化し大きな政府になることを覚悟して言っているようにはとても思えないのである。嫉みを煽っているのだろう。 
 目下証券税制を巡る議論が盛んだが、決まって出てくるのが「もう株価も戻ったのだし、ここらで優遇税制は止めよう」という声であり、外国ではどうなっているのかといった声など聞こえたためしがない。 
 日本の市場は物理的には日本にあるが、参加者はいまや世界中から来ているのであり、そんななかで国内の世論ばかりを気にしている場合ではないだろう。 
 日経NBCに寄せられたご意見でも「もう優遇という言葉は止めて欲しい。むしろ市場活性化税制とか市場応援税制、リスクに対するご褒美税制」といったネーミングにしたらどうだという、まことに建設的な声もある。「貯蓄から投資へ」というのが今度の国策のはず。だとすれば市場応援税制をきっちりと恒久化しなければ、中長期的に保有することで自分の好きな企業を応援する株主など育つはずもなかろう。 
 年金や健保の将来が危ぶまれている折でもある。自分で自分の人生を切り拓こうとする個人を育てるのが証券税制のあるべき本来の役目のはずである。。「株などやってない」とうそぶく政治家の人たちも、もっと真剣にこの問題を考えなければ、新興国に大きく水を開けられて、それこそ孫たちが泣きをみる日本になるだろう。もっとしっかりした国家観や大局観を持つ、それが政治家の本来の役目ではないのか。