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プロフィール
三原淳雄
 

2006年08月04日
三原 淳雄

法は簡明に、ルールは厳格に
 

 「悪法もまた法律、それがそこにあれば守るのは当然」と、頭のいい法学部出身ならそう言うだろう。一般的な考え方なら「悪法だって所詮人間の作ったもの、時代に合わなければ変えればいいじゃないか」と考えるのだが、頭のいい人たちはそうは考えず、出来ればこれを利用して自分たちの裁量が増やせないかと考える。  
 そこで生じるのが解釈の相違、最近とみに脱税もしくは申告漏れの報道が多いが、なかにはこの解釈の相違によるものが目立つ。指摘された側のコメントにも堂々と解釈の相違を主張しているものも多い。 
 これってどこかおかしくないだろうか。本来法律に解釈の相違などあってはならないはず、解釈の相違がでてくるのなら、出ないように即刻改めるのが筋だろう。 
 検査担当官の裁量ひとつでシロになったりクロになったり、はたまたグレイになったりでは国民は生きた心地もしない。 
 だからライブドアによるニッポン放送の時間外取引での取得に際しても「違法だけど脱法ではない」といった世にも珍しい解釈が当局によって出され、その後の騒ぎにつながることになった。あの時に違法ならちゃんと根拠を示して正しておくべきだったし、法が不備だったのなら即刻その旨告知して改めているべきだったのだろう。また人間社会には法の以前に「して良いことと悪いことがある」ことも同時に知らしめておく必要もある。 
 たとえ法に触れずとも、国民の大切な財産である公共財の市場に土足で入る奴は、ルールによって弾き出すことも必要だろう。 
 金融業界も同様であり、法も大事だが契約時の約束を守るのは最低のルールのはず。 
 いま消費者金融の上限金利を巡って論議が盛んだが、それに乗じて過去の高い金利を返せという騒ぎになっているが、これもおかしな話で、そもそもグレイゾーンなんてことを許しているからこんな騒ぎになる。 
 グレイと知っていて借りておいて(契約しておいて)、問題になったからそれしめたとばかり返還を迫るのはルール違反だろう。「約束は守るためにある」のが契約の大原則だから、このルールが守れないようではビジネスの根幹が揺らいでくる。15年以上も前の話しだが、当時リースマンションが節税上有利で、かつ仕組みがうまく出来ていて収入の多い現役時代にローンで買っておき、完済後に定年となれば第二の個人年金になるというので大流行となった。 
ところがたちまち税制が変えられてしまい、おまけに適用期間も過去にまで遡ると言う無茶をやったため、リースマンションは激減状態となったこともある。 
税制や制度改正はまずルールをしっかり作って、遡ったりすることなしでやって貰わねば、器用に立ち回る連中やそれをうまく利用して稼ぐタチの悪い弁護士たちだけが得することになりかねない。 
 法律は簡素、明快に、そしてフェアに。ルールは厳格にしてルール違反は即退場という判り易い社会にしなければ、誰もリスクをとらなくなるのではないだろうか。突然のルール変更や、過去に遡って適用するような国に明日などあるはずはないだろうし、だいいち外資など寄り付くはずもあるまい。