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プロフィール
三原淳雄
 

2006年07月28日
三原 淳雄

あ々 JAL
 

 日頃の小生を知っている人には信じられないだろうが若い頃は気弱く自信喪失気味で人見知りが激しかった。いまでも人見知りは人後に落ちない。 
 そのオドオドしていたころ、アメリカに日興證券から留学させて貰った。1ドル360円時代だから留学など飛んでもない話。 
 当時は外資割り当て制で留学生は1日10ドル、月300ドルの生活を余儀なくされ、文字通り赤貧洗うが如しで、25セント玉すら貴重品だった。そんな貧しい人生を送っている時に空港近くでJALマークを見ると「おー 彼らも頑張ってるな、俺ももうひとふん張り」と、大いに元気づけられたものだった。多分そのころはJALもフラッグ キャリアーとしての自覚も誇りもあったはずである。事実本当に一生懸命やっているなと、乗ってみても彼らの心意気が伝わってきたものだ。 
 そのJALがいつの間にやら官僚化し、フラッグキャリアーの誇りは既得権化し、社内抗争や労使紛争(7つか8つ組合があるんだって?)のスキャンダルばかりが聞こえてくるようになった。初期のグローバル会員だった身としては、昔の会員に対するサービスもよく知っているだけに、如何にお座なりなものになったかを肌で知ることになる。 
 そのJALが今回天をも恐れぬ増資に走った。その目的は新しい機材購入のためだと説明しているが、各社と較べて老朽化していることはよく判るし、新しい機材が欲しいのも判る。しかし飛行機を新しくして「馬子にも衣装」でごまかせるほど世の中甘くない。 
 引受け証券会社の一社が引受けを取り止めたのも、黒字化への説明が腑に落ちないからと言うことらしいが、投資家にリスクを負わせるのが増資なのだから、説明責任に自信が持てなければ引受け辞退は当然だろう。 
 当り前だが、株価は正直である。予定した金額は調達出来なかったようだが、これも市場経済の厳しさ。むしろ安易に銀行からの借入れに頼らず、ここで市場の洗練を受けた方がJALにとってはむしろよかったのではないか。災い転じて福と為すという言葉もある。 
 サービス業の原点は何か。誰がカネを払って乗ってくれているのか、利益はどうして生まれるのか、市場の信頼をどう取り戻すか。いちど原点に戻ってみるべきだろう。 
 尾翼に輝くJALのマークを見て、元気づけられた身としては、再び大きく飛び立って欲しいのだがいまの経営陣でそれが出来ないのなら、いっそ安値で買収でも考えてみましょう。