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プロフィール
三原淳雄
 

2006年01月18日
三原 淳雄

だから言ったじゃないの、簡単にカネなど稼げないと
 

昨年11月末の当コラムで、株式市場をなめている当世成金たちの行く末を見たいと書き、友人どもからは「そこまでお前は長生きするつもりか」とからかわれたが、意外に早くもう人生を滑り落ちる若い奴が出てきた。 
 市場は本来国民共有の大切な財産であり、だからこそ何にもまして「フェアプレー」が求められる。この意識が徹底している欧米では市場での違法行為は即財産没収、刑務所へ直行である。映画「ウォール街」はその厳しさを教えてくれていたはずなのに、あの兄ちゃんは金儲けに忙しすぎて見ていなかったのだろう。そうでなければ外国人の記者クラブで「証取法は穴だらけ」とか「日本の個人投資家ももっと勉強しなければ、ズル賢い奴にしてやられる」などと、ノー天気なことなど言っていられなかったはずである。 
 それにしてもこの国の大人もなめられたものに、たかだかITを利用した錬金術に長けたお兄ちゃんを、あたかも「改革の旗手」扱いし、選挙に出馬させてみたり、テレビもそれを追っかけ回したりで、本人に考える暇すら与えずにもて囃したりするから、本人も偉大なる勘違いを起こしたのだろう。 
 武部幹事長は国民を欺いた責任をとって、さっさと北海道に帰って百姓でもするべきではないのか。一度足を地につけるということの意味をじっくり考え直して出直して欲しいものである。あんな奴が国会議員になっていたりしたら、それこそ国の恥だったのではないか。ことの重大さを判っているのだろうか。幸い落選したからいいようなものの、こちらはその当の尾道に早速講演に出かけなければならない。八万四千票も入れた人たちを相手に、ボロチョンにこき下ろすのもなかなかに覚悟がいるのである。 
 出版社も猛省すべきだろう。ホリエモン本を出した出版社は、世の中に害をあたえていたのだから「金で買えないものはない」ことを改めて世に知らしめる本を無料で配布してみてはどうだ。世の中にはカネで買えないものがたくさんあることを、原稿料はタダで書いてあげるから、いつでも言ってきて欲しいものである。 
 テレビ?これはもう言葉もない。視聴率しか頭の中にはないのだから、これはホリエモンの言葉を借りれば、そのテレビを見る「国民が馬鹿だから」ということだろうし、その馬鹿な国民受けする番組をスポンサーにするスポンサーも馬鹿。まあ国家の品格とはそんなもの、大宅壮一さんの「テレビは国民を総白痴化する」との名言が改めて身に沁みる。 
 経団連のジィさんたちも猛省が必要だろう。コーポレートガバナンスの本家でありながら何をやってんだ。副会長の企業が談合の元締めだったり、ライブドアを会員にしたり、誰れが責任をとるのだろうか。推薦した人の顔を見てみたい。 
 いい機会だから、今回の馬鹿騒ぎを教訓にして、いまこそ「市場は誰のものか」を改めて国民全体で考え直す好機にしようではないか。少子化をはじめこれからの日本は、かつての日本とは国の形を大きく変えてくる。減少する国のなかで増やすことができるのは国民が頑張れば企業の価値はいくらでも増やせる。つまり株式市場の富はいくらでも増加させられるのである。 
騙しの手法で時価総額を上げたのが彼らなら、せめて心ある投資家たちは清く正しく時価総額を増やす努力をしている企業を応援しようではないか。 
 欠陥商品の回収のために、巨費を投じている松下の姿は、企業の責任とは何かを自覚している好例ではないだろうか。一服の清涼剤である。 
 悪い奴を他山の石として、いい会社、いい経営者をきっちり評価したいものである。