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プロフィール
三原淳雄
 

2005年06月21日
三原 淳雄

地獄への道は小さな正論の小石で・・・・
 

 国会では飲酒運転ならぬ飲酒議員による飲酒審議が勝手に盛り上がっているが、民のカマドの元である株式市場は極めて狭い幅のなかでにっちもさっちも動けなくなっている。 
 何せ今年に入ってからの市場の変動幅は10.5%、つまり上にも下にも殆ど動いていないまるで死んだような市場になってしまっている。その昔口の悪い人たちは「土方殺すにゃ刃物は要らぬ、雨の3日も降ればよい」と言っていたが、これはもはや死語、代ってその元唄の兜町バージョン「株屋殺すにゃ刃物は要らぬ、寄り引き同値でザラ場なし」が現実味を帯びてきた。 
 言うまでもないが市場にとって最大の材料は成長であり変化である。 
 ところが好調な企業決算にもかかわらず株価が冴えないのは成長に必要な前向きの投資よりも、増配会社ばかりが続出しているからだろうし、またライブドア後遺症で成長どころか自己防衛のための株価を希薄化させるプランばかりが目立つ、これではとても株は買えないのも無理はない。 
 変化についても最も大切なこの日本がどこに行こうとしているのかという姿が見えないのでは、思惑の張りようがない。 
 国会は郵政しか目に入っていないようだし、次の日本を作るという骨太の政策も、具体案に欠けるしキレイごとばかり。日本はどこに行こうとしているのだろうか、それが見えないから市場は迷走するのである。 
 口では「貯蓄から投資へ」と国はお題目を唱えているが、税制などで後押しする動きもない。カネは本来臆病なのだから、こっちの水は甘いぞといった魅力を持たせなければ、リスク市場にはなかなか流れてはくるまい。市場の水準はいつの間にか歴史的にみてもPERも配当利回りも合理的なところまで落ち着いているのだから、臆病な資金を導入するには格好のチャンスのはずである。 
 個人金融資産を動かすには、庶民の悩みである相続税や贈与税を総動員して、いまのような時期に敢て株式投資をしてくるおカネには、たとえば十年持てば相続税などを半分にする政策を出せば、資金の大移動が始まるのではないだろうか。マスコミはすぐにそれは金持ち優遇ではないかと異を唱えるだろうが、リスクをとるキャピタルを育て市場の価値を増大させなければ、人口をはじめ減少する日本を救う方法はないのである。異を唱える前に現実を直視してから物を言うべきであり、過去の社会主義国ニッポン、一億総中流時代のお題目など唱えてると、国が滅びてしまう。 
 「地獄への道はこの種の小さな正論という石で敷きつめられている」ということを忘れないことだ。