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プロフィール
三原淳雄
 

2005年02月28日
三原 淳雄

ピンボケの買収騒ぎー本筋を見失うな
 

このところ連日ライブドアとフジTVの騒ぎがマスコミを賑わしているが、どうも本筋を外した野次馬的議論が多いのは困ったことだ。やれ時間外取引がどうの、外資ばかりが甘い汁を吸うのでは、メディアの公共性が損なわれるのではといった枝葉末節的な問題が大問題となっているが、最も大切なポイントが抜けている。 
 
企業は上場した瞬間から社会の公器となるのであり、経営者は社会の公器である企業をお預かりし、その企業の価値を最大限に高めるのが本来の使命のはずである。 
 
それを忘れ、前のオーナー家との支配権争い、つまりお家騒動などをやっているから、俺に任せればもっとうまく経営するとばかりにライブドアが登場したのである。 
 
一瞬にして35%以上もの株を取得されたということは、既存の株主たちがそれだけ現経営陣に愛想を尽かしたからであり、株主不在の経営などしているから売られたのではないか。その反省をまず行うのが筋であり、然る後に将来如何なる方法で企業の価値を高めるかを世の中に説明すべきなのだが、自らの支配権を守るために悪あがきをしているのが実体ではないのだろうか。 
 
本来企業が株主にきちんと説明をし、その企業の努力を株主が評価していれば、一気に40%もの株を買い占められる事態などは起きなかったはずである。 
 
企業の経営者を信用していながら、株主は株の売却という形で不信感を表明したのである。今回の騒ぎがどうなろうと知ったことではないが、メディアの公共性をいまになって声高に訴え、政治家にも援護射撃と思える発言などをさせている姿を見ると、自らメディアの公共性や中立性を失っているように思えてならないのである。 
 
これは何もフジTVだけの話しではなく、NHKの問題も同様であり、メディアの経営者たちも今回の騒ぎは対岸の火事として見るのではなく、大いに自省して欲しい点である。 
 
日頃下らない番組を垂れ流し、国民をバカにしてきたツケが回ったのである。 
 
さて、もうひとつ気になることは、ことはフジTVだけの問題で終わるほど、今回のM&Aの騒ぎは軽いものではないことである。 
 
これは大買収時代の序曲にしかすぎず、何れ本格的な企業の再編の前触れと受けとめるべき出来事であることを自覚すべきだろう。例えば鉄鋼大手四社の時価総額はたったの4兆円強という現状は、いつまとめて誰かに買われてもおかしくないし、同じく四兆円強の武田薬品だって、手許キャッシュの豊富なこともあって実際に必要な金額は驚くべき少額で買収されることも起きるかもしれないということなのである。 
 
株主不在の経営をしていると、市場から罰せられる時代が到来したことだけは確かである。