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プロフィール
三原淳雄
 

2004年07月20日
三原 淳雄

何が大事か、いまこそしっかり考えよう
 

参院選も終わった。いつもながらの低投票率。これで国の行方が決まるとは何とも言葉もない。投票は国民の義務、それを自ら放棄する連中はパスポートを渡さないとか、罰金を課すぐらいのことをやらないと目が覚めないのではないか。 
 
日本をこんな国にした理由のひとつは、投票にもいかずに政治の悪口を言い、リスクもとらずに雇用を生み出し社会のために冨をもたらす努力をしているリスクキャピタルの有難さを忘れその足を引っ張ったり、また一方で運よくIPOなどで金持ちになればなったで社会への恩返しを忘れ、家と車とオンナに狂うIPO長者ばかりでは世の中おかしくなるのも当然かもしれない。 
 
今回のライブドアによる近鉄バッファローズ買収騒ぎなどその典型であり、まるでいまの日本の縮図となっているのではないだろうか、それぞれの関係者のエゴイズム、自分だけよければいいという風潮とが見事に透けて見えてくる。 
また投資家もお粗末で若い社長が近鉄買収の話しを出した途端に、株価はストップ高、あらゆるメディアが大騒ぎ、何のことはない株高でオーナーの若い兄ちゃんを金持ち、有名にするのに手を貸す始末。自分のカネだと称していても、その実は自分の手で稼いだものではなく、社会の公器である市場を利用して得たカネではないのか。だとしたら本来は投資家のカネのはず。大事な他人のおカネを赤字球団に投資するのなら将来の成長性や収益についてきっちり説明すべきではなかったのか。 
また球団の爺さんどもの時代錯誤もはなはだしい。 
 
いまの日本は都市と地方、高齢者と若者、そして大企業と中小企業といった具合に完全に二層化していることは前にも書いたがそれを忘れているのではないか。かつて一億層中流を自称していたころの日本とは、国の形そのものが大きく変わり、これら二つの層がさながら水と油のように利害関係がまるで違っているのである。巨人を都市の大企業、そこのオーナーを老人代表として例えて見ればよくわかる。 
閉鎖的で排他的、おまけに既得権にしがみついているいまの日本のプロ野球は、旧来の財界の姿とそっくりだし、消費者よりもグループの方が大事という姿も、いまの三菱自動車とそっくりである。 
プロ野球を愛するファンの存在など二の次で、野球を広告塔と考え球団経営には野球など全く知らぬ代表を親会社から天下りさせる。経費削減のためなら小久保選手でもタダで放出したり、大赤字にもかかわらず中村選手に20億円も出してしまう。 
野球なんぞ少しも愛していない経営者がやりそうなことばかりしかしてこなかった罰がいま当たっているのだが、それへの反省もない。既得権にすがる老経営者と、思い上がった若者の対立、そこにはファンや選手への愛情、野球に対する熱意など薬にしたくとも見当たらない。 
 
かつてアメリカの大リーグも大いなる危機に瀕したことが何度もある。アメリカン フットボールやバスケットに人気を奪われ、球団経営は悪化し選手はやる気をなくしてスト騒ぎまで起こしたこともある。 
しかし、その度に経営者は反省し外部からは最終的にロス オリンピックを成功させたユベロス氏をコミッショナーに持ってきて強権を与えるなど、様々な努力をして再びいまの大人気へと結びつけていたのである。 
いまや球団数もほぼ倍になり、それぞれの球団の責任者は地方の人気者だし、地元の振興役として大いに尊敬されている。 
既得権にすがってファンを無視し続けた日本とはえらい違いである。 
大リーグを経験した新庄選手の、オールスターでのパフォーマンスこそ、いま全ての日本人が見習うべきではないのだろうか。 
かつての日本なら個人プレーとして眉をひそめる動きになっただろう。しかしいまや目立たない方が美徳の時代は終わり、これからは日本のため、社会のため自分は何が出来るか、何を考えるべきか、少しは新庄選手の心意気を見習ってみるべきだろう。 
むかしは「分を知る」とか「分別」といういい言葉があった。いま日本人が改めて噛みしめるべき言葉ではないのだろうか。