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2003年09月04日
三原 淳雄

 
世界が注目し始めた日本企業の変化
            世界が勝てる企業を探そう
 

 日本の国内にいるとつい変化の兆しを見落としがちになるが、外国の日本を見る目はこのところいい方向へと変わりつつあるようだ。日本経済全体を見れば、まだ金融システム不安は残っているし、不良債権の処理も道遠しだから、とても強気にはなれないだろうが、個別の企業には頑張っている企業が目立はじめた。外国の投資家はそこに変化の兆しを見出し、日本株買いの根拠にしているフシがある。事実アメリカの経済専門誌でも日本企業の変貌を評価している記事が増えつつある。フォーチューン誌は例年「世界の500社」という特集を組むが、その500社に取り上げられている日本企業の健闘ぶりは注目に値するだろう。

 日本企業で上値100社に入っている企業は20社あるがトヨタの8位を筆頭にNTTが16位、日立が26位、ホンダが28位など上位で頑張り、他にもソニーや松下、日産なども順当に順位を上げている。日本経済の低迷を傍目に、明らかに頑張りが目立つ企業、変化しつつある企業へと投資家の関心が移るのは当然だろう。

 このところ外国からの日本株への投資額は目を見張るものがあるが、半信半疑の日本の投資家に比べ外国人が個別の企業への自信を高めている理由は、頑張っている企業の変化に気がついているからである。

 市場にとって最大の材料は、毎度申し上げているように変化であり、それも兆しのうちに気が付くことが望ましい。変化が誰の目にも明らかになった時には、株価には既に織り込み済みとなるからである。その好例が日産の復活であり、ゴーン社長が来日した時の評判に惑わされているようでは、とても300円そこそこの日産は買えなかっただろう。そのゴーン社長の成果が株価の1200円となって表れたのだが、ここから日産を買ったとしても、4倍になるのは容易なことではない。「首切りゴーン」「コストカッター」などなど悪評さくさくだった時に、日産は変化すると読んだ人はもう勝者になっているのである。社会に富をもたらすのは企業であることを考えれば、日本の企業が世界で評価され始めたことは、何より明るい変化の兆しである。マクロはまだ心許ない日本だが、ここはマクロ離れして、世界に通用する企業探しに専念するのが得策であり、勝利への近道であろう。