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2003年08月29日
三原 淳雄

 
見え始めた変化の兆し
       変化する企業に注目しよう
 

 後になって気付くことを後講釈といい、諺ではこのことを「後悔先に立たず」と言う。

 今年、つまり2003年(平成15年)を2〜3年後に振り返ってみると、変なことばかりが起きた年だったが、何もせずにぼやーと過ごした企業や個人に、思えばあの年が日本にとっても転換点だったのかと、に思い起こさせる年になる兆しがあちこちに見られるようになってきた。俗に言う「変化の兆し」である。日本は冷夏、欧州や中国は酷暑というある種の天変地異もそうだが、日本経済にとっても変化があちらこちらで出てきはじめていることにお気付きだろうか。

 例年猛暑の甲子園で高校野球が行われ、お盆とも重なって株式市場には閑古鳥が鳴くのが常なのだが、驚いたことに今年の株式市場は冷夏を傍目に連日高値を更新し、出来高も18億株と十数年振りの大商いとなっているし、不振を極めていた設備投資も着実に増加の気配となっている。例年ならバケーション入りする欧米のファンドマネージャーが多く、そのため外国人の日本株買いも減るのだが、今年の夏は減るどころかますます買いの勢いは強くなっている。

 株式市場にとって最大の材料は変化であり、それも驚き(サプライズ)であればあるほど効果も大きいのだが、そのサプライズが次々に出てきているのも、今年の夏の特長だろう。前例が全く役に立たなくなっているということは、その底流には大きな変化が動き始め、株価はその変化を織り込み始めたのだろう。

 政治にも自由党と民主党の合併が出て来たし、当初はピエロのように思えていた亀井氏への支持も、ここへきて強まりつつある。

 機を見るに敏、それしか能のない小泉首相も、再選されれば抵抗勢力でも閣僚になって貰うこともあるなど、変わり身の速さを見せているし、銀行批判の急先鋒だった木村剛さんも業を煮やしたのか、自分たちで銀行を創ると発表している。企業も何が何でも中国へ進出という姿勢を改め、価格競争力のある製品を日本で作る方向へと変わり始めている。

 日本が曲がり角を回り始めたのは確かだろう。市場が最も喜ぶ材料はこうした変化であり、変化があるから株価も動くのである。

 となると銘柄選びの方針も大きく変えて、変化をしようとしている企業を応援する投資法が、究極的には大きく報われることになるはずである。変化こそチャンスなのだから。