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三原淳雄
 
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2003年06月05日
三原 淳雄

 
モヤモヤした気分を市場で晴らそう
 

 何となくこのモヤモヤした鬱陶しい気分を一掃出来る方法はないものだろうか。

 それにはメリハリの効いた政策が一番なのだが、国会や政府の動きはいまの梅雨空に似て、むしろモヤモヤが募るばかり。なかにはいい方法も出てきているのだが、たちどころに反対論が出て来て潰されてしまう。頭がいいとされている人たちが寄ってたかって議論だけは、活発に行われるが「船頭多くして船山に登る」の言葉通りに実効性に乏しい妥協案しか出てこない。そこで国民のモヤモヤはますますつのる。

 その点アメリカはやはり素早い。モヤモヤのタネだったエンロンやワールドコムのスキャンダルも、抜く手も見せず関係者を捕まえ巨額な罰金を課し、つるんだ会計事務所は潰されてしまった。景気が気になるとたちまち減税を行うし、ドル安がいいとなれば他国の思惑など関係なくさっさとそちらに舵を切る。つまり真の国益とは何かをベースにして政策にメリハリを効かせているので、一時的にモヤモヤしても、国民がすぐにスッキリした気分になれるように政策当局も気配りしているのである。

 分不相応な円高になっているのに、他国の顔色ばかりを気にして有効な手を打てず、国内はそっちのけで外交に精を出し、カネをバラ撒いている首相とはえらい違いである。

 そんなモヤモヤを吹っ飛ばすためにはせめて株式市場が元気になってくれるといいのだが、やっと市場も政策頼みから政策離れへと、少しムードが変わってきつつあるようだ。思えば市場も目先の問題にあまりにも神経が過敏過ぎたきらいがあった。持ち合い株の放出や年金の代行返上による売りの増加は、目先的には需給を悪化させるが、目を凝らして見れば問題の裏側にはチャンスがあるのも見えてくるはずである。いま東京では巨大なビルの完成ラッシュで2003年問題がしきりに取り沙汰されているが、これは貸し手側の問題であり反対側の借り手から見れば2003年チャンスとなるように、需給のバランスが壊れることは売り手側には辛くても、買い手側にはチャンスとなる。これから伸び盛りを迎えるような若くて新しく、しかも持ち合いなどのしがらみのない企業の株まで安くなっているのなら、それは将に買い手のチャンスだろう。

 モヤモヤした気分を自分で吹っ飛ばすチャンスが来たと考えてはどうだろう。