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2003年01月25日
三原 淳雄

 
今年のキーワードは「知」
 

 昨年を漢字の一文字で表すと「帰」となるとか。 拉致家族の帰国、60年代のレトロへの回帰、おやじパワーの復権の兆しなど確かに「帰」を連想させる出来事が多かった。 そう言えば、日本のムードも原点に帰って経営や生き方を模索し始めた感もある。 さてそこで今年だがこと資産運用に関しては「知」がキーワードになるのではないだろうか。

 情報収集力、分析力、判断力などを総動員し、自らの知力を高めその知力を駆使して資産や自分の知産を築く。 企業なら知的所有者やブランド力によって付加価値をつけ自社の知力を高め企業価値の増加を計り、個人も知力をもって、つまり自分の値段を高くするための知産を築くことを考える。

 高度成長期の右肩上がりからの時代なら、そこそこの知識でもやっていけたのだが、いまやマクロでの日本経済はせいぜいよくて横這い、うっかりすると今年も低迷しそうだから、これまでと同じことをしているのではよくて人並み。 とくに土地などはただ持っているだけでは減価しかねないご時世なのだから、如何に付加価値をつけるかがポイントになってくる。 ビルやアパートを建てるのにしても特長がなければ付加価値はついてこない。 株式投資も同様で投資銘柄を選ぶ際にも、その企業の潜在的な付加価値を如何に評価するかで結果は大きく変わってくるだろう。 いまやモノも土地や株といった資産もあり余っているからこそ価格が低迷しているのであり、余っているものには何か特別な価値がなければ買ってくれる人はいないご時世なのである。

 単なる知識ではなく、その知識を知力に変えてこそ生活そのものの内容も高まってくるし、知力によって人生を豊かに変えることも可能になってくる。 「知」とは知ること、「敵を知り己を知れば百戦危うからず」という言葉もある。 何ごとも正しく知ることから始めてみると、自ら判断力や決断力も出てくるもの。 徒に危機に怯えるばかりが能ではない。 知力を使って危機をチャンスに変えてこそ未来は拓ける。 それが今年なのではないだろうか。