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2002年11月21日
三原 淳雄

 
やっと出てきた証券税制改正案
 

 複雑怪奇で悪評高かった新証券税制が、ここにきてやっと大きく見直される動きとなってきた。 当り前と言えば当り前だが、だいたいあんな変てこりんな税制を作った連中は何を考えていたのだろうか。 社会に富を生み出すのは企業、その企業を応援するのが投資家、そしてそれを仲介するのが市場なのだから、市場の機能は出来るだけ簡便で判り易いものでなければならない。 投資家が市場に参加し易いようにして企業に資金を供給し、そしてその企業はその資金で企業を活性化し雇用を増やして利益も出して賃金を上げる。 その回転がうまく働けば市場の価値も増加するし、雇用も所得も増えて消費も活発になり景気は回復する。 これが市場メカニズムなのだが、その市場の入口のところで資金をブロックし閉め出すような証券税制で日本が立ち直るわけもない。 今回見直される方式だと株式の配当や売買益の税率は10年間は10%とし、税務署への申告も個人が行わなくてもすむ。

 抜本的な改正だと、双手を挙げて賛成とまではいかないが、少なくとも市場にとっては大きな朗報であるのは確か。

 あとは例によって税収減を心配する主税局さえ反対しなければこの案でおさまりそうだ。 その目途が立てば投資家にとっていまの市場は極めて魅力的だろう。 配当利回りが3%を超えている銘柄が約450、2%以上が約900もある。 長期国債の利回り1%割れに比べても割安な銘柄がゴロゴロしているのだから、逆張りを狙う投資家にとってはリスクの低いチャンスになってきた。 不良債権処理の行方などマクロ面での心配はあるものの、日本がどうなろうとミクロでみれば立派にやっていける企業も沢山ある方に目を向けたい。