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三原淳雄
 
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2002年10月17日
三原 淳雄

 
君、国を売りたもうことなかれ
 

 小泉政権誕生以来ろくなことはない。

 株価は下がりに下がり20年来の安値となり、そのため株式市場の時価総額は140兆円も減っていまや240兆円。 バブルとはいえピーク時には600兆円を超えていたのだから、この12年で350兆円もふっ飛ばした計算になる。 アメリカと違って土地も同時に下がり多分1000兆円は目減りしているだろうから、国民の資産は1300兆円以上なくなってしまった。 不良債権が増えるはずである。

 このことは視点を変えればそれだけ日本が安くなったのであり、バブル時にアメリカが安くなってジャパンマネーがアメリカを買いまくった時のちょうど反対である。 外資にとってはもっと下がって欲しいと考えているのではないだろうか。 いまやグローバルな時代だから外資に目くじら立てるつもりはないが、困ったのはもっと日本を安くすることに熱心な大臣が出てきたことである。

 もともとお喋りな男で言うことがこれまでもくるくる変わっていたが、それも学者の時ならともかく自分の発言が大変な重みをもつことに気づいていないのは、国民にとっては大変不幸なことである。 そうでなくともマーケットは口の軽い大臣と単語しか話さない首相によって不安でいっぱいなのに、「大きくても潰さないことはない」なんて恐ろしいことをよりによってアメリカの雑誌に喋ったりするものだから、たちまち銀行株や問題とされている企業の株が大きく売り込まれることになった。 まさに売国的発言である。

 いま政府が行うべきことは一刻も早く国民の不安の元になっているデフレを退治することであり、そのための大胆な政策を打ち出して市場を安心させることである。 市場が落ち着けば資金も入ってくるし,株価や地価が安定すればつれて人心も落ち着くし将来への不安も薄らぐ。

 そんなにお喋りが好きなのならもっと国民が自信をもてるようなことをしゃべるべきであり、そのために何をしようとしているのかについて、国民にきちんと説明してほしいのである。 軽率な発言が国を危うくするのでありくれぐれも日本を安売りすることのないよう気をつけて欲しい。 せっかくなれた大臣なのだからもっと国民を豊かにすることを考えることだ。 株と土地が上がれば日本は再び豊かな国になれるのだから。