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三原淳雄
 
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2002年07月01日
三原 淳雄

 
ワールドカップの教訓
 

 サッカーのワールドカップが終わったが、日韓両チームの大健闘は後世に偉業として残るだろう。 経済の不振に喘いでいる日本にとって、ひとときの清涼剤となったのは確かである。

 日本チームは、ドーハの悲劇、フランス大会での三連敗、トルシェ監督バッシングなど数々の苦難に耐えて、今回の大会を目標にかかげて苦節を重ね、よくぞここまで頑張ってくれたものである。 この日本チームの残した教訓は多い。

 正しい目標を明確に掲げ、優秀な指導者を外国から招き、海外のノウハウを習得し、選手層の底辺を広げ、海外で技術を磨き、日本のサポーターに支えられてグローバルな勝負が出来るようになったことである。

 このことはそっくりいまの日本経済や日本の企業経営にも当てはまる。 日本の古い経営土壌にしがみつき、日本国内の市場や金融システムに頼っている企業は、いまのみずほグループが好例だが、サッカーの日本チームのような体質とは程遠い。

 一方で早くから脱日本経営を行っている企業は、キヤノンやトヨタのように、すっかりグローバルな企業に変身している。

 なかでも特に遅れているのが政治と行政であり、その政治と行政にべったりの企業にも問題企業が多い。

 つまり日本の社会のなかにサッカーのようなグローバルな組織と、かつてのソ連のような社会主義的な組織とが混在しているのである。 この姿はこれからもますます両極化してハッキリしてくるだろうが、投資を考える側から見れば、判りやすい状況になってくるとも言えるだろう。 銘柄選択の基準をワールドカップのトルシェや韓国のヒディンク監督が行った選手の選抜と同じようにして選べば、世界での勝ち組となれるからである。 サッカーの日本チームのように感動を与えてくれる企業に投資することだ。