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2002年03月25日
三原 淳雄

 
割安な企業の株主になろう
 

 投資家の心理はしばしば動いてはいけない方向に動かされることがある。

 これは著名な投資家ウォーレン バフェット氏が命名するところの「ミスター マーケット」の仕業であり、下げれば売りを、上げれば買いを毎日のように投資家に呼びかけてくる。 なにせその日によって言う事が違うのだから、ミスターマーケットの言葉にいちいち付き合っていたら、それこそ身がもたなくなる。

 2月から3月にかけての東京市場では毎日のようにミスター マーケットがそれこそ日変わりで様々なことを言っていたようだ。

 やれダイエーの処理が気に入らん、このままでは何れ銀行がもたなくなる、公的資金はどうなった、円安でキャピタルフライトになる、金利上昇で国債が暴落するなどなど、2月にミスターマーケットが投資家を脅かした例は枚挙に暇がない。

 その言葉につられて市場は当然一喜一憂するので、だんだん悲観論が強くなり、それに対して空売りを仕掛けてくる動きも強まるので、多くの株価がどうみても理不尽な水準にまで叩き売られ、弱気を唱える評論家などもここを先達と危機説を流し、日経平均は何れ六千円もあり得るとはやし立てる。

 相場の転機の特徴として、大きく乖離した数字を示されても、世の中はそれを不思議とも思わなくなってくる。 バブルのピーク時にはまだ日経平均が4万円にも達していない時に、ほとんどの人は何れ5〜6万円になると信じていたし、今回のように悲観がその極に達すると30〜40%も下の日経平均六千円と言われても、そうだろうなと、妙に納得してしまう。

 熱狂時にはそうしてバブルが生まれ、悲観の極では思わぬ理不尽な動きがでてくるために恐怖に促われ持ち株を叩き売るので大底となる。 バフェット氏はこのような市場の動きを「ミスター マーケット」と呼んでいるのだが、今回もミスター マーケットの言葉を皆が信じたところが当面の大底となってしまった。 2月6日の日経平均9,400円台では、投資家は心底恐怖心に捕われただろう。 そこが大底となって絵に描いたような反転をしてきたが、さてここからどうするか。 ミスター マーケットに振りまわされないためには、自分なりのシナリオや分析をしっかり行い、自信の持てる投資法で臨むのがベスト。

 割安な信じられる会社を探して株主になることである。 株価を買ってはいけない。