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2002年01月21日
三原 淳雄

 
危機こそチャンスが一杯ある
 

 自信をなくすとここまで落ち込むかの好例が、今の日本の株式市場だろう。

 市場は人知より賢いというのが私の持論であり、だから市場が値動きによって何を告げようとしているのかに注目しているのだが、いまの日本の市場の動きは参考にも何もなりはしない。

 見えるのは自信喪失した投資家たちが、風説もどきの噂に揺れ動き、右往左往している姿ばかり、おまけに相も変わらず政府も当局も、言わずもがなのコメントを出しては市場心理を動揺させているのだから、一体日本は何をしようとしているのか、流石の市場も人知か衆愚の区別も出来ず、市場音痴の連中の奏でる雑音によって市場本来の動きを全く封じられてしまった。

 ことここに至るまで、国政のトップである首相が株価には一喜一憂せずと、まるで市場を馬鹿にしきった発言を重ね、100兆円もの時価総額を吹っ飛ばし、貴重な不良債権処理の原資を枯渇させ、金融システム不安を自ら招いているのだから、これでは金融機関ばかりを責めるわけにもいくまい。

 それでも支持率は高いというのは、これぞ平成の七不思議のひとつだし、外国人には日本国民はよほど苛められることが好きな国民性だと思われても致し方あるまい。 傍から見るとまるでマゾとサドの世界ではないか。

 毎日財産や所得が減っていくのに、それでももっとやれもっとやれと、行き先すら定かでない改革を支持しているなんて、とても平常の神経では理解出来ないだろう。

 さて、そんなこんなで何といまや百円割れの銘柄が数を数えるのも厭になるほど輩出してきたし、CB(転換社債)のなかにも目出度く償還さえされれば(倒産しなければ)、目も眩むような高利回りのものもごろごろしている。

 仮に100円割れの銘柄をまとめて100銘柄を平均80円で買えば800万円、50銘柄なら400万円、その全てが倒産するようなことはないだろうから、面倒臭いことを考えずとも、消去法で悪そうなものを削っていって、残りをどんと買ってみるのも一法だろう。 転換社債も同様でそれなりに人脈を駆使して情報を集め、それなりのリスクを覚悟すれば、いまは天与のチャンスかもしれないのである。 そんななかには内閣が倒れようが、日本がどうなろうが立派に生き残る企業がいくつも見つかるはずである。

 いまこそ危機をチャンスに変える勇気が報われる時代なのである。