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三原淳雄
 
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2001年07月27日
三原 淳雄

 
骨太の国民を豊かにする政策を求む
 

 株価の急落にもかかわらず、小泉首相から聞こえてくる言葉は「目先に一喜一憂することなく、改革の断行あるのみ、改革なければ成長なし」の1点ぱり。

 この背景には選挙前にぶれたりすると、橋本政権と同じ憂き目にあいかねないという懸念が、そうさせていると思いたいが、さてその選挙も終わり、いよいよお手並みを拝見させていただく段階となってきた。

 これまでの発言を聞く限りでは、小泉内閣の目指す改革とは主として既存勢力の破壊であり、既得権の剥奪が主となっているようで、これはこれで理解できるし賛成しているが、問題はその先が見えてこない事である。

 いま国民の最大の関心事はデフレはどうなる、景気はどうなるといったさし迫ったものであり、将来に光明を見出したいから改革という言葉を歓迎しているのであり、自民党内の権力争いや足の引っ張り合いではない。

 本来政府の役目は国民の生命と財産を護ることであり、それさえしっかり行ってくれれば、国民の閉塞感も大いに薄らぐはずなのだが、それが見えないから株は下げているのである。

 ご案内のようにいまの日本で金を持っているのは主として高齢者であり、高齢者に景気の牽引車になれといってもそれは無理な話なのだから、どうすればこの資金を活用しつつ国民を豊かにすることが出来るかを考えるのが選挙後のまず行うべき政策だろう。

 特定財源の見直し、特殊法人の廃止などもどしどし進めていただきたいが、不良債権処理の場としての市場整備の方が焦眉の急なのである。

 市場とは心理で動くものなのだから、高齢者の資金を市場に贈与税の軽減などで誘導すれば、仮に個人金融資産のたった10%でしかない140兆円を、市場に導入出来たとすれば、市場は一気に活気づくので不良債権の処理も財政再建も目途がつく。

 「痛みを恐れず改革を」という言葉はもう聞き飽きた。 いま聞きたいのは「こうして私は国民を豊かにします」という具体的な政策なのである。 ちまちました証券税制の改正などで市場が活性化すると考えるのは大間違い。 骨太という言葉が好きなのであれば、国民がビックリするような骨太の市場改革案を市場に示せばいい。 それさえ出来れば市場の景色は一変すること請け合いである。