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三原淳雄
 
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2001年06月08日
三原 淳雄

 
視線を少し高くしてみよう
 

 小泉政権への期待がやや不安気味となり、支持率の上昇とは反対に株価は下降している。 骨太の改革、破壊と創造など、やたら威勢のいい掛け声ばかりは聞こえてくるが、改革の内容は参院選が終わってから、破壊の後の創造についても、どんな日本にしようとしているのか、これも皆目見当がつかない。

 これでは株も動きようがないし、高い支持率も、考えてみれば自民党の支持率の倍以上もあるのだから、支持している人たちの半分は小泉さんが自民党を壊してくれることを期待しているのかも知れない。

 そんなこんなでとても株など買ってられない、というのが市場の雰囲気なのだろう。

 TVなどで見ていると、何だかとっても面白いのだが、面白いだけでは株式投資に必須の投資戦略など立てられないし、市場も手掛りを失ってしまった。

 一時は新政権に期待した外国勢が一斉に日本買いに入り、市場シェアの五割以上も占めていたが、彼らも模様眺めで洞ケ峠を決め込む始末、痛みを恐れず改革をと叫ぶ姿は勇ましいが、痛みたくないのが投資家の心理であり、手が出なくなるのもよく判るが、個人投資家にとっては、こんな時こそチャンスなのである。 マクロでの見直しは暗いし、肝心な企業の決算もどうやら下方修正が続出しそうだから、こんな時に日経平均を占ってては暗くなるばかりだろう。

 しかし、だからといって日本中の企業が潰れてしまうわけでもないし、依然として利益を出している企業も沢山ある。

 ただ利益の伸びが鈍り気味になっているために、大きく株価が下げているケースも沢山あるはず。 実体の悪化以上に株価が下がれば、そこは天与のバーゲンハンティングの場と考えればいい。

 世の中には付和雷同する狼少年も沢山いるので、弱気論は続出してくるだろうが、山より大きい熊は出てこない。 こんな時こそ森を見るのではなく名木探し、それも若木のうちから探すことを心掛けるといい。

 とかく目先きの相場に気を奪われ、大局を見誤るのが人情だか、やや視点を高くして、たとえば人の背中におぶわれるぐらいのつもりで先を見れば、違った景色が見えてくるのはずである。 人と同じことをしていれば気楽だろうが、リターンも人並みなものでしかない。 ここが勝敗の分かれ目になるのである。