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三原淳雄
 
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2001年03月01日
三原 淳雄

 
政治と行政は国民にまず謝罪せよ
 

 「災害を未然に防いだ人は英雄になれない」とか。 将にその通りで災害が起きなければ、その功績は目立つまい。

 本来政治や行政の役目は災害を未然に防ぐことなのだが、いまの日本に最も欠けているのがその任に当たるべき人材だろう。

 神戸大震災などはその好例で、関西地方には地震がこないという考え方が政治や行政に強かったがために、実際に起きた時の対応策などまるで見当たらず、貴重な人命を失ってしまったし、バブル期にもバブルを潰せばどうなるかなどまるで念頭に入れずに、ただやみくもにバブルを潰してしまい、いまだにその後遺症に苦しむ破目となっている。

 この原因は政治や行政がその本来の使命を忘れてしまっているからであろう。

 「国民の生命と財産を守る」ために事前に予想される災害に対しても備えるのが本来かれらの仕事なのだが、彼らの念頭には一番大切な国民が抜け落ちているのである。

 その証拠にこれら災害に対しての責任を誰もとっていないではないか。 それどころか何故対応が遅れたかについてのきちんとした説明すらない。

 あんな無茶なバブル潰しを行えば、その後に続く膨大な不良債権の発生や、それに伴う金融システム危機などは、充分に予測可能だったはずである。

 そのためにいい大学に入り、エリート面していたのではなかったか。

 流石に秀才揃いだけあって、事後の災害に際しての責任逃れだけは見事なもので「一行たりとも潰さない」と豪語していた銀行が次々と破綻し、生保も続々とおかしくなっているのに、政治家や役人のなかから反省や謝罪の弁など全く聞こえてこない。

 それどころか先輩たちの犯した間違いを糊塗しようとするために、臭いものに蓋をするばかりで、これでは国民もどちらに向いて進んでいけばいいのか皆目見当もつかない。

 だから低金利にもかかわらず個人金融資産の半分の700兆円が預貯金でじっとしているのである。 これが動かなければ資産市場の活性化もないし、デフレ現象に歯止めもかかるまい。 今はちまちまと金利など下げている場合ではない、自分たちの間違いを正直に国民に謝罪し、改めて新生日本への協力をお願いすることが、景気回復へのいちばんの特効薬なのである。