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2001年01月05日
三原 淳雄

 
21世紀・日本のキーワード
 

 新しい世紀に入ってきた。 新しい酒は新しい器にという言葉ではないが、この際思い切って新しいことを考えるきっかけにするのも21世紀入りの効用かも知れない。

 そこで市場を取り巻く環境についての「キーワード」を考えてみた。

 いまの日本の閉塞感を打破するには旧来通りの政治や制度では出来ないことが20世紀のギリギリになって露呈したのだから、この旧い体制を壊すことから始めなければならない。 そこで第一のキーワードは「快刀乱麻」。 さまざまな収益や既得権でがんじがらめになっているものは、この際一刀両断で切り拓いていかなければ、新しい日本の展望も拓けない。 そのためには強力なリーダーが必要なのだが、幸い今年は参院選もある。

 国民が変われば政治も変わるのだから、今度こそ其のリーダーにふさわしい人を選ぶことを全員で考えれば変えることも出来るのではないだろうか。

 2番目のキーワードは「解凍」、いまや1400兆円にもなろうとしている個人金融資産の約半分の700兆円が、低金利に文句を言いながらも預貯金に眠っている。 この資産の活性化、つまり解凍を真剣に考えたい。

 今回の不況は一般的にバランスシート不況と呼ばれているように、国も企業も個人もバランスシートがガタガタになっている不況であり、このバランスシートを立て直すには株や土地を活性化するのが最も有効である。

 しかし市場にはリスクがあるので、なかなか市場に資金が入ってこない。 リスクが怖いからである。 したがって勇気を出して市場に入ってくる資金に対して、その収益や損失に対する税制上の恩典をつけることを考えるべきだろう。 たとえばいま株や土地を買ってくれる奇特な方々には、贈与や相続の評価を半分にするとか,利益に対する税率をゼロにするとか、何か大きなメリットをつければ雪崩を打って資金が市場に入ってくるだろう。 これだと国のカネのお世話になることなく、民間資金だけで出来るのだから財政赤字も増えるどころか何れ経済が活性化して減少する目途も立つ。 市場の活性化は回り回って市場の不参加者たちにも必ず恩恵が及ぶのだから、この種のリスクキャピタルには世間の暖かい応援も必要である。

 金持ち優遇は怪しからんと目くじらなど立てないことだ。

 そして最後のキーワードは「光」、これから始まる本格的なデジタルの世界では、光ファイバーはもちろんのこと、家庭用デジタル家電の全てを動かすのは光通信になるし、光を制するものが世界を制することになるのは確実である。 幸い日本には技術も資金もある。 いま低迷している消費も活性化するだろうから、文字通り光が日本の将来を決める光になるはずである。 以上3つのキーワードを解くカギは全て知恵の如何にかかっていることをお忘れなく。