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2000年04月24日
三原 淳雄

 
森よりも木を見る
 

 日米の株式市場が大荒れとなっているが、その内容は大いに異なっているのではないだろうか。 端的に言えばアメリカはソフトランディングの可能性を巡っての市場の反応だろうし、日本はアメリカとは対照的に景気を浮上させえることができるかを巡る市場の反応だとすれば、その行く先についての市場の見方がやや混乱するのも仕方のないことだ。

 アメリカ経済は依然好調であり、この好調の原因のひとつが株高による消費拡大なのだから、ソフトランディングをさせるためには当局としてもここはまず株価にソフトランディングして欲しいところだろう。

 したがってこれから注意すべきことは、アメリカ経済が如何にソフトランディングできるか、日本が代わって景気回復の波に乗ることが出来るかであり、当然市場もその行方を巡ってしばらくは不安定な状態になる可能性が高い。 日本に関してはマクロ面でや々改善することは確実であり、6月発表のGDPはプラスに転じるだろうが、株式市場ではマクロ面での改善以上に個別的に代われる銘柄が多く出てくるのではないだろうか。

 IT革命というテーマに浮かれて買い上げられ過ぎた銘柄の調整も一巡し、これからは実態のある企業が選別されてくるし、加えてこれまで負け組みとされていた重厚長大のなかからその変化と市場が評価して、大きく値を上げる銘柄も出てくるだろう。

 市場は夢を買い過ぎた第一ステージを終わり、現実にしっかり利益を上げつつ変身を図る企業を評価する第2ステージに入ったのではないだろうか。 個別物色に徹したい。