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三原淳雄
 
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1999年12月27日
三原 淳雄

 
求めよ さらば与えられん
 

 99年はこれまでの日本とは際立って変わった年になったのではないだろうか。

 横並び意識の強いわが国では、これまでなら考えられないような出来事が、99年ほど次々に起きた年も珍しい。

 護送船団方式の典型とされていた金融業界でも、三行合併などまさかと思われたことが現実になってきたし、長銀も外資に持っていかれてしまった。 一方でイトーヨーカ堂の銀行業進出といった従来なら思いつきもしなかったことが現実には出てきたし、もはやまさかと思えることしか起きないような様相すら呈している。

 社会的にも安全だと信じていた原子力発電所で、まさかウランをバケツで扱っているようなどとは思ってもいなかったし、新幹線で壁が落ちてくるなど、安全に対する考えも変わってきつつある。

 なかでも特筆すべきは一億総中流意識の変化である。 大多数がまだ不況の影響で青息吐息のなかで、株式公開やその後の値上がりであっと言う間に億万長者が続々誕生し、三十代の経営者が二人も世界の金持ちベストテンに入るといったことも起きている。

 つまり二極分化の始まりである。

 こうした変化を株式市場が見落とす筈もない。 かくして株式市場はその大変化を受けて見事に二極分化してしまったのである。

 これはこれまで横並び意識できた日本にとっては驚天動地の変化ではないのだろうか。

 マクロ面で日本経済はまだまだ青息吐息なのに、ミクロで見れば絶好調の企業や経営者、株主が続々と出てきているのだから、横並びで不況だから仕方がないなどと、自分は変わろうとせずにぼやいているだけではますます置いていかれてしまうだろう。

 この二極分化はこれから社会のいたるところで激しくなることは必至である。

 企業も勝ち組負け組がますますハッキリしてくるし、サラリーマンも同期意識などに甘えていると年収が千万円単位で差がつく時代なのである。 しかもこの激しい変化はまだ始まったばかりであり、この先まだまだ続くのは確実なのだから、ぼやいているばかりではなくこの二極分化の上の組へ自ら参加するしか勝ち組になれないと、いまのうちに気付くことが2000年に当たってまず為すべき心構えなのである。 求めなければ与えられないとまず悟ることだ。